ブラックホールは 巨大な星が死ぬ時に生まれることがある 最期を迎えた星は 内部に向かって崩壊して だんだん小さくなっていき 密度が大きくなっていく こうして収縮していき ついには半径ゼロで密度が無限大の点になる この点を特異点といい 密度があまりにも大きいために 近くの光も その重力から 逃れることはできない この星の近くにあるものは 何もかもがこの黒い点に吸い込まれる

ロケットが宇宙空間へ飛び出す時は 地球の重力から脱出できるだけの速度が必要になる この脱出速度に達することができなければ 地球に戻ってきてしまう ブラックホールの重力は非常に強く 脱出速度は光速よりも大きい 光よりも速いものは存在しないので 何も脱出できないのだ 特異点の周囲には 脱出速度が光速と等しい境界面があり これを事象の地平線という 事象の地平線より 内側に入ったものは すべて特異点に吸い込まれる

もちろん これはすべて理論上の話だ ブラックホールは光を出さないので 実際に見ることはできない ブラックホールの存在が分かるのは 宇宙空間で他の物質がブラックホールの質量と相互作用を起こすからだ 数多くの星々が黒い中心部の周りを公転していれば その中心には ブラックホールが あるかもしれない 密度が高いので近くを通る光は曲がってしまう そのため地球上で 天体観測すると 同じ星が複数存在するように見えることがある その場合 地球とその星との間のどこかに ブラックホールがあると推測される