藍坊主 「ジムノペディック」を聴きながら。

たどり着いたので、たどり着いたままに。

甘い言葉なんて

ニキビが増えるだけ

さいなら

なんでもない夜と朝に涙を流す生き物は

本日も満員の背中に揺られ

長い紐に足を絡める

どこにいても
どこにもいたくなくて

だれといても
だれともいたくなくて

なにをしても
なにをしなくても
なにもしたくなくて

物語は後半にゆくにつれて
美しい嘘が敷かれ

それでも心は穏やかで



時計周りに行かないときほど
心地がいいのは

誰のせいか

近づくほど
拒絶したくなるのは





それでも
通り過ぎる前に

猫背気味のそこに穴をあけて



三浦由衣/ Miura Yui/ 미우라유이