てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行つた  
        安西冬衛 「春」



こういう詩を読んで、はっとすることがあります。

もちろんのことですけども、
自分の感性にカーンと響く詩と出会うってことは稀です。

人生に何回あるのか?
まあ、数えるくらいでしょう。

私は リチャードバックの
「カモメのジョナサン」が好きなんですけども
あの感覚に近いものをこの短い詩に感じました。

こんなふうに感性にぴったりのものを見つけるには
膨大な量の書物に触れるのが王道です。
年から年中、ずーっと本を読んでいると可能でしょう。

でも、実際には、仕事を持っていると
そんなに時間があるわけでもない。

どうすればいいかというと、速読術覚えて早く読めって人もいるんでしょうが
詩なんかだと、速読というのは馴染ないのではないかと思います。

で、私みたいな横着な人間には
それなりに効率的な出会い方があります。

やっぱり、
自分の尊敬する人、自分の尊敬する作家が 推薦している書物を
取り寄せて読むんです。

手っ取り早いんですね。

あの人が薦めるんだから、と
バイアスがかかっているのかもしれませんが。
かなり高確率です。

これは、美味しい料理屋さんを見つけ方とよく似ていますね。

あの人の舌なら間違いない。
美食家の友人の勧めに従ってお店に行ってみるのがいいですよね。

あとは、自分のお気に入りの料理屋さんの大将のお薦めのお店に行ってみる。

やっぱり自分が好きな味の料理人さんの通う店は大当たりが多い。

ミシュランに頼るよりも、はるかに高確率です。

これ、ジャンルが違ってもそうですね。

その人の薦めるものってのは
やっぱりいいんです。

音楽と料理。
まったく違うジャンルのものですが、
片方で、これいいなあー、と思うものが共通していれば
ジャンルが違っても、やはり不思議と共通しますね。

京都にある一番好きな割烹の大将の携帯の着信音が
私の大好きなマーラーの第五番 第四楽章だったので非常にうれしかったのを覚えています。







好きなもの、感動するものが、似てる人と話す事ほど楽しい事はありません。

しかも、感性が一致して
自分よりレベルが高い人と出会うと、もう嬉しくて仕方がないんです。

最近、ビジネスだけでなく
趣味の分野でも、この人に聞いたら間違いないわ。
って感じになってきました。

その道の師匠を見つけると、回り道しなくていいので
助かっています。


https://www.youtube.com/watch?v=Fvb1ITRFXhc