「ふーん。」

隣の座席からそういう声がするので、ん?と、目をさまし横を見ますと
40くらいのおっさんが新聞を広げながらブツブツ言っておるわけです。



(あ、あかん。はずれや。今日は、ついてない。)


移動中、横が「変わった人」だと苦痛ですよね。
しかも、超香水くさい。

(もうこれは我慢して寝るしかない。)

と思ったんですが、そいつ、
寝たい私を許してくれない中々の兵(つわもの)でした。

しばらくしてからも5分おきくらいに

「へえー。そうなんだ。」

とか、

「ひゃは。」

とか言葉を発するわけです。

(日経新聞で、どんな反応しとるんじゃこのアホは。)


(かなり癖のあるオッサン。飲み物を持ってくるとき、面倒くさいやろなー。)

と思っていたら、やはり案の定ですわ。

飲み物何にするかって聞かれてから、答えるまでが
やたらと長いんです。

「うーん。と。」

「お茶、あ、やっぱり。ウーロン茶。」

「え、え。それのほかにお茶系って何があるんだっけ?」


もう何でもよろしいやんか。
と。

冷たいお茶やねんから。
どうでもいいやんか。と。

いっそのこと、両方頼めよ。

んなもの
「お飲物、何しますか?」
と聞かれて
「冷たい緑茶で。」
ってパッと言えばいいんです。


要件は、2秒以内ですむのに
ソムリエと、ワインのチョイスしているくらいじっくり
お茶選びに、時間をかけるそいつ。

とにかく、緑茶に決まった後も、グダグダ、グダグダやっとるわけですよ。

埒あかんなと思いましてね
「ちょっと、まだ時間かかります?ところで私は、冷たい緑茶で。」
「かしこまりました。」

客室乗務員さんも助かってましたよ。
後ろつかえているのになーって思ってたんでしょう。

また、やめときゃいいのにCAさん
マニュアル通り中身の説明をするんです。

それにあわせて、軽食のボックスあけて
「おお!」
と、オーバーリアクション。

お前、サンドイッチ見たこと無いの?
と。

オッサン、ええ加減にしとけよ
と、細い目をことさら細くして視線を送っていましたけども
気にしないんですね。

黒のウイングチップを裸足ではいちゃうオシャレさんは。

ほんで、まあ軽食食って寝たんです。

そしたら、30分ほどしたでしょうか。



「チョ!!」

とか結構大きい声でまた起こされました。


何?何?何?

ぱっと見たらそいつ、韓国語の語学テキスト見ながら

「チョ!」

って繰り返し、発音練習してるんです。


・・・。



もう、好きにしたらいいよ。


それから、ずっと窓の外の雲を眺めていました。


結論

Tシャツに、マフラーを巻いている奴には要注意。
今、この季節が暑いのか寒いのかわからん位、とぼけた野郎だから。