東南アジアに行きますと、
トイレが汚い。

私は、汚いトイレでは、用をたしませんので
ホテルか、空港のラウンジなどある程度
しっかりしたところでしか、トイレに行きません。
運気下がりそうですから。


東南アジアは、汚さに追い打ちをかけて
トイレの水流の弱さで困ることが多々あります。

大の方です。

別に私のウンコが
超特大で、とか自慢しておるわけではございません。
いたって普通なんです。たぶん
※統計学上有効な程、多くのサンプルと比較したわけではないので。

高級な場所でも、そうなんですね。

タイ航空のビジネスクラスのラウンジのトイレでも、
水流がイマイチだったりします。

先日こんなことがありました。

事を済ませて、トイレットペーパーで拭いて
流そうとしても、流れない。

(おいおい、そりゃないぜベイビー。)

(どうすれば、流れるのか?)

悩んだ私は、おそらく殆どの成人が取るであろう行動、
すなわち、もう一度流しました。

しかし、ちょっと動いたものの、一向に流れない。

(ああ、2回目は、タンクに水が貯まっていなかったので
 そんなに勢いがつかなかったのかな)

と時間を置きます。便座に座って、時間をつぶします。

そして数分経って、流します。

しかし、流れない。


何かがおかしい。

しかも
先ほどより、
チャオプラヤ川のような茶色い水位が上がってきているではありませんか。

このまま、水位が上がるなんて事・・・やばい。

水位が上がりながらも、
自分のしたものが、ただむなしくクルクル回って
流れていかない状況に出くわした時、
私は この場を立ち去りたい。と思いました。

決して、人に褒められる思考パターンではありませんが
正直そう思ってしまったのです。

そして迷いました。

つまり、
自分の便を放ったらかしにして
水位が上がろうがしったこっちゃねえーと、
素知らぬ顔で、その場を立ち去るか?

それとも、
そこに踏みとどまり、自分で考え、何かしらの手を打ち、
後の人が困らないように、自分で最後まで解決するか。

二者択一です。

この選択には、私がいつも取りがちな選択肢。

お金を払ってその道のプロフェッショナルにお願いする。
という選択肢は 選べないのです。

なぜなら、ヒトには何かしらの羞恥心がございまして
係の人に、自分のウンコ指さして
「ほら、ご覧のとおり流れないんだ。今すぐ何とかしてほしい。
デューク、この願いを聞いてもらえるだろうか。」
などとは、言えないし、そういう頼む人もいないのです。

あの時、私は1000バーツ払ってでも、なんとかして欲しかった。

そして私はどうしたか。










正直に言います。



逃げたよ。

てへ。




















そして、何食わぬ顔でトイレから15mほど離れたソファに座り
「BMWのMシリーズすべて」という雑誌を読み始めました。

が、やはり、
私の意識は完全にトイレの方に向いてしまっており、
雑誌の内容は頭に入りませんでした。

「ウワーオ!!!」
と客がトイレの扉から飛び出してくるんではないかと
ひやひやしていたんです。

ふと、私は自分が 誇り高き「日本人」であることを思い出しました。
タイくんだりまで行って、山田長政以来の日本人の評価を下げるわけにはいかん。

しかも、俺は会社を率いる立場の人間じゃないか。
これで、部下を率いる資格はあるのか。

どう考えても、私のとった行動は間違っていました。
深く自分のとってしまった行動を恥じました。

ここで、逃げてはならん。
だって俺は「誇り高き日本人」だから。




意を決し、トイレに戻ることにしました。

そして、私が使ったトイレ以外全部使用中でした。

(なるほど。あえて、火中の栗を拾うやつはいまい。)

当然と言えば当然です。

そのトイレの扉の前に立ち
一呼吸おいて、私は中に入りました。

何事もなく、そこに私が放ったらかしにしたままの状態が保存されていました。
水位は特に上がっていなかったのです。

ドアを閉め、
もう一度、祈るような気持ちで、ボタンを押し水を流しました。



ササー、流れていきました。



その時の私の晴れやかな気分。


この瞬間のために、今回のタイ旅行はあったのかと思えるほどの
清々しい気持ちでした。


目を閉じ、無言で小さくガッツポーズ。


この旅で、自分はこれを学ぶべきだったのか


この世には修業のために生まれてきたんだよ。

斉藤一人さんの言葉を思い出したのです。



豆知識
「トイレットペーパーはいずれ水に溶けるから、 時間をおいて流せばいい。」




トイレの神様のお札、まだございますので
欲しい方は
06-6390-3511 までお願いします。