詰みを逃して頭を抱え込み天を仰ぐ渡辺明九段
昨日(7月7日日曜日)行われた王位戦7番勝負の第1局の2日目は、千日手で先手と後手が入れ代わり
挑戦者の渡辺明九段が先手となり、うまい差し回しで勝勢を築いた。しかし、最終盤で両者1分将棋(1分以内に指さなければならない)になり詰みを逃してしまう。同時に99%手中に収めていた勝利も逃げてしまう。
この頭を抱え込むポーズを、藤井聡太のタイトル戦で何度見て来たことか。
「1分将棋だからだろうが、なんでこれほどの実力者がこの詰みを見逃すのだろう?」と解説したプロ棋士は不思議がる。頭を抱えこんで、こういう感想を言われた棋士にはこの渡辺明九段の他に、菅井竜也九段、永瀬拓矢九段、豊島将之九段がいる。皆、藤井聡太にタイトルを奪われたり、挑戦して敗れたりして来た。
将棋は「逆転のゲーム」だと言われるが、やはり終盤力つまり詰むか詰まないかを瞬時に見極める力が最後の決め手になる。その詰将棋の力が藤井聡太は飛び抜けている。プロ棋士も参加する詰将棋解答選手権で小学6年生から5連覇している。結局、これが藤井聡太と他の棋士たちとの決定的な差につながっている。