「ぼくの小さな恋人たち」


ザ・シネマ(TV)でジャン・ユスターシュ監督(1938.11.30〜1981.11.5)特集をやっていた。一番の有名作「ママと娼婦」(1973年 3時間35分)の録画を忘れてしまった。結局録画して見たのは以下の3作だった。


「サンタクロースの眼は青い」(1963年 47分)


「わるい仲間」(1963年 42分)


そして生涯最後の長編でカラー作品「ぼくの小さな恋人たち」(1974年 2時間3分)


ポスト・ヌーヴェルバーグの代表的存在として、ゴダール、トリュフォー、エリック・ロメールから絶賛されたが、確かにトリュフォーやロメールのようなテーストがかなり垣間見られる。3作に関しては、ゴダールのような政治的メッセージは皆無。描いているのは、男の「性欲」である。しかしトリュフォーほど情念の燃え上がりはなく、淡い味わいなのに心に迫ってくる。不思議な作風である。しかし代表作とされる「ママと娼婦」を見ないことには始まらないようだ。


なおユスターシュは1981年にギリシャのテラスで転落して、車椅子生活になった。ユスターシュは一生車椅子生活になるのを悲観して同年11月に自室で自殺した。享年42。