先週土曜日(5月18日)の午後2時からNHKホールでファビオ・ルイージ指揮N響(コンサートマスター:郷古廉)の演奏会を聞いた。同時刻にトリフォニーホールで小泉和裕指揮新日フィル(ベートーヴェン交響曲第8番とチャイコフスキー交響曲第4番)、サントリーホールでクオクマン指揮パシフィックフィルハーモニア東京(ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と交響曲第2番)、ちょっと遠いがミューザ川崎でノット指揮東響の演奏会(メインはベルリオーズの交響曲「イタリアのハロルド」)があったが、N響を選んでみた。なにせ同交響楽団首席指揮者ルイージ指揮N響をまだ聞いたことがなかったのだ。


いわゆるCプロで60分ほどの休憩なしのコンサートだ。このCプロは来季はなくなるという。1時15分から20分ほど、管楽器の首席奏者と打楽器の竹島悟史(編曲も)によるラヴェルの「マ・メール・ロワ」(フランス語でマザー・グースの意味)。実に気持のいい演奏だった。来季からは当然このプレ・コンサートも無くなる。


オーケストラのコンサートは、オールメンデルスゾーンで、まず「真夏の夜の夢」から4曲。序曲冒頭でフルートデュオがかすれて興醒めした。どうも音の抜けが悪い。席のせいだろう。

メインは交響曲第5番「宗教改革」。

wikipediaによる解説を貼り付けておく。

曲のモチーフにルター作曲のコラール神はわがやぐら』、そしてドイツの賛美歌『ドレスデン・アーメン』が用いられているのが特長である。アウクスブルクの信仰告白の300周年を記念して作曲された。しかし生前には1回演奏されたのみで、1868年に初めて出版された。第1番から第4番までの出版が先行したために「第5番」の番号が付されている[2]。若書きながら、既にシンフォニストとして完成の域に達したことを告げる堂々とした交響曲であり、現在ではこのジャンルにおける作曲者の最初の成功作とされている。


よく考えるとコンサートで聞くのは初めて。ちょっとシツコイ曲である。メンデルスゾーンが哀愁に満ちた軽快な音楽ばかりを作曲したと思っていたら、ちょっと考え直した方がいい。こういうユダヤ人気質丸出しの曲もある。演奏は金管楽器がノーミスで頑張ったのを始め、なかなかだった。ルイージは堅実な指揮者という印象は変わらなかった。

1階13列のやや左寄りの席(S席7600円)だが、どうも音が頭の上を流れる感じでピントがずれる。客席がもう少し上にいかないとダメなホールのようだ。

メインの曲としては、メンデルスゾーンの交響曲は、第3番「スコットランド」、第4番「イタリア」は時々あるが、ちょっと物足りない。この第5番も同様で、こういう曲はCプロにはピッタリなのだが、Cプロ消滅で、しばらくプログラムにのることはなさそうだ。


演奏後のルイージとN響