先週、南青山のコム デ ギャルソン本社で2024-25秋冬ウィメンズ展示会を取材。同社社長でもある川久保玲による「コム デ ギャルソン」はフェイクレザーによる17体で最後の1体のみが白で他は黒。テーマは「怒り:アンガー(anger)」。常にこの感情は川久保玲の創作の根底にあるものだと思うが、今回の表現はかなり抑えられた感じがする。


有刺鉄線のプリント


鎖のプリント

今の世相や世界情勢に対する怒りなのか?あるいは自分自身への怒りなのか?

興味深かったのは使われた音楽。ベートーヴェンのピアノソナタ第14番嬰ハ短調「月光」第3楽章とピアノソナタ第32番ハ短調(最後のピアノソナタ)をつないだ激烈なもの。川久保玲がクラシック音楽に感じる怒りとはこんな感じなのか。