TV放映映画録画集から映画「フォードvsフェラーリ」(2019年 ジェームズ・マンゴールド監督 2時間33分)を鑑賞。レース映像が実に素晴らしいと驚嘆する。「トップガン」のカーレース版というところか。映画の作り方は昔の熱血浪花節映画みたいで懐かしい。クリスチャン・ベールとマット・デイモン主演じゃなきゃ録画しない映画だ。フォード社の業績が悪化して社勢回復のためにル・マン24時間耐久レースにチャレンジすることになるが、その前にル・マンの絶対王者フェラーリ買収に動くが、結局フェラーリはフィアット傘下になる。そのために買収価格を釣り上げるためのフォード接近だったなんていうのはなかなか面白い。事実なのかな。



クリスチャン・ベールが演じるドライバーがかなり専門的なアドバイスをフォード・スタッフにするのだが、そのあたりを車作りに反映させる過程とかをもう少し丁寧に説明してほしかったが、とにかく迫力あるレース映像と浪花節で押そうという荒っぽい映画になってしまっている。

クリスチャン・ベールはその辺りの町の修理工場のオヤジという感じを出し過ぎではないかと思うが、マット・デイモンはフォード社とドライバーのクリスチャン・ベールを繋ぐ元トップドライバーのやり手という感じをいつものように上手く演じている。ただ、丸顔であるためか、額が広いためなのか、着用サングラスが恐ろしく似合わない(笑)。これ、笑っちゃうほどで、なんとかならなかったのか。

クリスチャン・ベールの女房役(カトリーナ・バルフ)というのが実に目立たない女だが、借金まみれの町工場の女房役にしてはちょっとゴージャスという中途半端な存在。その息子を登場させて熱血浪花節感を盛り上げようというのも上手くいっていない。脇役ではヘンリー・フォード2世役(トレイシー・レッツ)というのが好演だった。こんな上手い役者は掃いて捨てるほどいるんだろうな。