3年ほど前から東京のラーメン業界で急激に勢力を拡大しているのが「ちゃん系」と呼ばれるラーメンだ。1.店名にちゃん、2.赤い暖簾、3.チャーシュー麺でない普通のラーメンでも脂身の少ないチャーシューがどっさり載り、4.スープは豚のみで取っていてかなりしょっぱい、5.ライスは無料というのが特徴として挙げられる。


いくつかのグループに分かれているようだが、今回実食した新宿西口の「新宿小滝橋 クマちゃんラーメン」の店主に尋ねると、「私のところは3店しかありません。高円寺 ともちんラーメン、中野 邦ちゃんラーメン、そしてここ新宿小滝橋 クマちゃんラーメンです。いずれも新宿だるま製麺所の飲食事業になっています」とのことだ。

この新宿小滝橋 クマちゃんラーメンは今年7月21日にオープンしたが、その前はこの場所は「ひろちゃんラーメン」だった。


店の前にある自販機で中華そば750円を押し、自販機の下に置いてある無料ライスのピンクの札を持って店に入る。カウンター14席のみの小さな店である。


これチャーシュー麺ではなく、中華そば!ライスは茶碗に半分くらい。「青かっぱ」と書かれて卓上に置かれた胡瓜の漬け物をライス上に載せる。


麺は多加水の中細麺でやや平打ち気味。カンスイ弱めでツルツル。チャーシューは脂身がまったくない部位でパサパサするぐらい。

肝心のスープは、豚だけで取っているようで、他の鷄、魚介系は使っていないようだ。最近の複雑なラーメンスープのマリアージュに慣れた舌にはシンプルな豚スープは、なにか懐かしささえ感じさせる。そしてライスと一緒に食べさせるためか

かなりしょっぱい。


これで750円のコスパは凄い!という評価なのだが、どうだろうか?

私の評価は以下の通り。まずこのパサパサのチャーシューは要らないなあ。他のちゃん系では、ネギラーメンとしてチャーシュー抜きラーメンを提供している店がある。冷麦みたいな麺と豚スープは嫌いではないが、1年に一度食べるぐらいだろうかな。


実際、今回私が入店したのは11月26日日曜日13時だったが、私の前の客はわずかに1人!私が出るまでに入って来た客はわずかに1人!これはちょっと厳しそうだ。そもそもグループは違うのだろうが、このクマちゃんラーメンの前にあった「ひろちゃんラーメン」は撤退しているのだ。

参考までに同時刻のこの界隈の行列を紹介しておく。


最長行列は「龍の家」。


ラーメン二郎小滝橋店。


蒙古タンメン中本。

日曜日の13時なんて、ラーメン屋にとっては稼ぎどきのはずだが、開店4カ月でこれでは「クマちゃんラーメン」危うしである。


ちゃん系ラーメンでは、もちろん大人気店も出ている。昨年11月に発表されたミシュラン2023年では、新橋(駅前第1ビル1階)の「はるちゃんラーメン」がビブグルマンに選ばれており、行列店になっている。


佐賀のひろちゃんラーメン。ちゃん系の源流は福岡、佐賀あたりとの説がある。


池袋のひろちゃんラーメン。