1月15日日曜日保谷こもれびホールで三ツ橋敬子指揮東京フィルの演奏会を聞く。初めて聞くホールだが、1階のみ662人収容のホールは満席だ。

ステージも狭く、2管編成が基本でホルン4本、トロンボーン3本、弦楽器は、11-11-8-5-5という感じだったかな。

冒頭の「フィガロの結婚」序曲はモゴモゴしていて音のヌケが悪い。やっぱりこのスケールのホール(ホームページでは残響1.7秒とある)で満足するのは無理なのかなと思う。総奏時に音がダンゴになるのだ。トップオーケストラではあり得ない。

ホールが原因だろう。

メンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲の高木凛々子は、テクニックはまずまずというレベルだが、ヴァイオリンの音自体の魅力が今ひとつなのでメンコンみたいな曲では満足度は低い。ただしルックスと笑顔が素敵だ。アンコールのバッハ無伴奏ヴァイオリン組曲は良かった。

15分の休憩後のメインはブラームス交響曲第1番だ。コンサートマスターは三浦彰宏、ホルンのトップは高橋臣宣(たかのり)、クラリネットのトップは元読響首席の藤井洋子だった。

もう少し切迫した感じが欲しくて、こんなものかなと思っていたが、さすがに第4楽章は盛り上がった。ホルンの高橋臣宣の独壇場であった。彼の名人芸を聞けただけでもここに来た甲斐があったというものだ。もうホールの音響の悪さも気にならなくなっていた。やっぱりブラ1はいいなあ。高校生の時、田舎の文化センターで森正指揮N響で初めて実演のブラ1を聞いた時のことを思い出していた。第4楽章では床がオーケストラに共振する音が聞こえたのを今でも思い出した。


アンコールのピッチカート・ポルカは余計だったなあ。これは、ウィーン・フィルの専売特許である(笑)。

演奏会が終わったのは夕方5時。外はもうすっかり夜の帷が降りて冷たい雨が降っていた。