クラシック音楽館(5月9日)は、「いま聞きたい世界の指揮者」を特集。最初登場したのはフィンランドの天才指揮者クラウス・マケラ(25歳)は現在オスロ・フィル首席指揮者だが2022年からなんとダニエル・ハーディングの後任でパリ管弦楽団首席になる。放映はロイヤルコンセルトヘボウとのドビュッシーの「海」。25歳がこのスーパーオケから見事な演奏を引き出している。これはたしかに天才だ。

オクサーナ・リーニフ


続いて女性指揮者として史上初バイロイト音楽祭で今年指揮するウクライナのオクサーナ・リーニフ(43歳)とミュンヘン・フィルでハイドンの交響曲第96番「奇蹟」。グラーツ歌劇場首席指揮者だが、踊ってるような指揮で、しゃがみ込んだりしていやに素人くさい指揮だが、オーケストラのプレーヤーは吹き出さないのかな(笑)。

この他ラトヴィア出身のアンドリス・ネルソンス(42歳)とロイヤルコンセルトヘボウによるスクリャービンの「火の詩」(再放送)、ベネズエラ出身の首席指揮者クスターボ・ドゥダメル(40歳、2021年からパリ・オペラ座音楽監督就任)がロサンゼルス・フィルと演奏したストラヴィンスキー「火の鳥」(再放送)などが放映された。

いずれも世界トップクラスのオーケストラで、やはり東京のオーケストラとはワンランク違うなあと思わせはした。

しかし、キリル・ペトレンコ指揮(49歳 ロシア・オムスク出身、写真上掲)のベルリン・フィルが演奏する2020年12月31日ジルベスターコンサートのリムスキー・コルサコフ「スペイン奇想曲」を聞いたら、ベルリン・フィルがさらに上記の3団体よりも頭ひとつ抜け出しているのが分かるのである。

まず木管、金管、ハープ、打楽器のソロイストが大きな音で強烈に自己主張してくる。これがまた呆れるほど上手いのである。あえて言えばサーカス的な感じ。

クラリネットのヴェンツェル・フックス

ホルンのシュテファン・ドール


フルートのエマニュエル・パユ

なによりも一糸乱れぬ弦のアンサンブルにちょっと恐怖感さえ感じるのだ。これでベートーヴェンの交響曲を演奏してはどうかとは思う。しかし久しぶりにオーケストラ演奏の醍醐味を聞かせてくれた。痺れた。