今年2月には、たまたまヴェニスで開催された脱炭素社会構築シンポジウムに出席したりしたので、私は、ファッション業界の中でもサステナビリティに関心のあるジャーナリストと考えられているフシがあって、今大注目のエネコホールディングスのプレス発表会がグランドハイアットホテルであるから、いらっしゃいませんか?という誘いがあって、オフィスにも近いので、ノコノコ出掛けてみた(6月25日)。ファッションには、関係がないと言えばないし、関係があると言えばある。

エネコホールディングスは、日本企業で、現在は水と油(軽油、重油、灯油)を混ぜるエマルジョン技術(エネコプラズマフュージョン)の企業として注目されている。簡単に言って、水50%油50%を混ぜて出来た液体は基油と同等の燃焼効率で、発生する二酸化炭素は半分程度になるという魔法のような話。混ぜるコストが画期的に低減した現在では、なるほど、環境に優しいし、いいことずくめ。

そしてエネコホールディングスが、今回のプレス発表会で、報道関係者を腰が抜けるほど驚かせたのが、水素エネルギーというか酸水素ガス。
説明は、プレスリリースの写真(上掲)を読んで下さい。これが、本当なら、大変なことだ。ワットの蒸気機関、テスラやエジソンの電気機器、原子力に匹敵する大発明ではないのか。リリースの最後の段落「わずか2ℓの水で一世帯の1週間の消費電力が賄える」。ホンマかいな?今月初旬のG20でも、この水素エネルギーが話題になっていたが、エネコホールディングスは電気をほとんど使用せずに、特殊な触媒を用いHHO(酸水素)を取り出せる技術の開発に成功したとある。これも魔法みたいなものだが、本当ならノーベル賞どころではない。エネコホールディングスは未上場企業だが、株を分けてくれないかと山本泰弘社長(一番上の集合写真の左から3人目)にお願いしたいものだ。すでにそれを見越した出資者も多数いるらしい。

しかし、エネコホールディングスをググると眉に唾する人達もいる。今回のプレス発表会では、質問時間もなく、研究者として同志社女子大の教授が実験結果を発表したぐらい。エマルジョン技術や水素エネルギーでは、ライバル企業も多く、エネコホールディングスがどの位置にいるかは、素人の私には不明だ。しかし、人類のエネルギーの未来は、そう悲観したものでもないな、と漠然と思った。