今月に入ってから「環境心理学」の教科書を
少しずつ読み込んでいます。
「心理学」のフィールドの中でもまだ歴史は浅く、
新しく研究され始めた分野で、
日常生活にも直結しているだけに
非常に面白い内容ではあるのですが、
翻訳本と言うだけあって、これがかなり読みにくく、
視線を大きく「上下」させながら
「ここは、もっとこう訳したら読みやすいのにぃ・・・」と
(原書で読めない自分のことは棚に上げ^^;)
行きつ戻りつしながら読んでいます。
ところで「環境心理学」の何が私に刺さるのか?と言うと、
「環境知覚・認知」、「空間知覚・認知」による
人間心理や行動への影響は
「写真」と言うメデイア媒体の画作り(空間作り)にも
かなり通じる部分があると感じているからです。
例えば、ダニエル・バーラインと言う心理学者が、
「環境美学」に関する重要な洞察を与える要素として
「対比の特性」を挙げています。
それには
「新奇性」=知覚者にとって真新しいこと
「不調和」=何かが場所にそぐわない
「複雑性」=見えているものの中にたくさんの種類の要素がある
「驚き」=期待していなかった要素
などがあり、これらが知覚者(見る人)の
美的判断と探索の欲求に影響すると述べています。
つまり、簡単に言うと、
人間と言うのは、
複雑で、新しくて、不調和で、驚きの要素が
適度にバランスよく融合した対象物を
それらのどれかの要素が特出した対象物よりも
「美しい」と感じる・・・と言うのです。
私は「写真」と言うのも、
(二次元ではありますが)
フレームで囲まれたひとつの「空間」、
「環境」だと思っています。
そしてどんな対象であれ
「美しい」ものはシンプルに「美しく」、
なおかつ素直に撮れたらいいなあ・・と思って撮ってきました。
でも、改めて自分が
何をどう「美しい」と感じているのかなんて
要素分解して考えたことなどなかったので、
こうして言語化された
人に「美しさ」の知覚・認知をもたらす要素に
ちょっぴり面食らってしまったのでした。
では、要素を知ったからと言って、
明日から
複雑で、新しくて、不調和で、驚きの要素が
適度にバランスよく融合した写真
を私が意図して撮ろうとするか?と言うと、
たぶん、それはしないし、違うのでしょう。^^;
まだ学び始めたばかりの「環境心理学」ですが、
私が感じたこの、
たぶん、それはしないし、違うのでしょう。^^;
の答えがその先に待っていてくれそうな気がするから、
(読解困難ではあるけれど)
読み進めてみたいなあ・・と、
まだ生まれたばかりでか細い好奇心と言う灯明で
分厚い本を精一杯照らしてみたくなるのです。
今日も最後までお読みくださり
ありがとうございます。^^
さとうみゆき
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