多摩地区は朝からボタ雪が降っています。
 

 

 

はい、結構積もりましたあせる

 

 

 

外出自粛要請も相まって、
この頃は益々読書熱が高まっています。

 

 

最近は、心理統計学の予習と並行し、
ツイッターでたまたまあがってきた
臨床心理学者の東畑開人先生
臨床心理学入門者にお薦めする図書を
順番に読み始めました。

 

 


 

 


その中でもやはり河合隼雄先生の本は
抜群に読みやすく分かりやすいです。
そして、これまで自分は
”何が分かっていて、何が分かっていなかったのか”を
あくまでも前向きに検討させてくれます。
(否、そう出来るように導く文章なのでしょう。)
そこが本当にすごいなあ・・と脱帽しています。

 

 

 

 

 

『カウンセリングの実際』の中の一節、
「カウンセラーの基本的態度」において
河合先生はカール・R・ロジャース
3つの提案を引き、
カウンセラーが心に留めるべき
クライアントへの態度を述べています。


その3つとは

 

 

①無条件的積極的関心

②共感的理解

③純粋(genuine)

 


です。

 

①と②は、何となくイメージができました。
私が驚いたのは
③の純粋(genuine)であることの意味でした。びっくり

 

 

 

ところで、あなたは
「純粋」と言う言葉を聞いた時、
どのようなイメージを持ちますか?ニコニコ

 

 

 

私は、「交じりっけない」とか
何か神聖であるような全き物、
絶対的である存在や、
真水のような嘘のない状態・・・

 

 

まあ、簡単に言えば、
100%の白、100%の黒、
と言った「不純物の無い」状態のことを
指すのだと思っていました。

 

 

 

ところが、河合先生は、私のような理解が
いかに”浅はか”な理解であるのかを、
具体例を出され、
それとは真逆のことを述べられます。

 

 

(前略)

たとえば、私が今日は5時から
クライエントに会うのはつらい、
疲れているからやめたいと思っている。
すると、クライエントが来たときに、
「今日はあなたに会いたくない」
と言うのが純粋だという人があります。
これは話がはやすぎます。

純粋というのは自己一致という
言葉もありますが、そういう単純なことを
言っているのではなく、
自分の心のなかに動いていることはすべて、
これを取り上げようというのが
genuineということだと思います。

 

(中略)

 

本心は「会いたくない」というのと、
「会わねばならない」というのと
両方あるわけです。
両方あるのが「本心」です。
それを一般には、本心というと
悪い方をたたきつける方だと思う人が多い。
 

 

 

 

このように述べたうえで、
カウンセラーは自分自身の内側に起こってくる現象に
先ず心を開いた上で、
人間に生じるこの二律背反の心の高まり
クライアントと共に悩みながら、
ひとつのハーモニーへと昇華させてゆくのが
望ましいと結んでいます。

 

 

私がドキっとしたのは、
引用文の最後、
 

 

本心というと
悪い方をたたきつける方だと思う人が多い。

 

 

の部分です。

 

 

 

簡単な例だと、

 

 

「本当はあなたが大嫌いなの!」

 

 

と言うのと

 

 

「本当はあなたが大好きなの!」

 

 

と言うのとでは、
 

 

「本当はあなたが大嫌いなの!」

 

 

言えることの方が、いかにも本心っぽく響く。
「正直」だと思われがちだと言う意味です。

 

 

 

 

本音で生きる、本心で生きる・・・

 

 


と言う時、私はこれまでずっと、
自分の中に一切の矛盾がなく
100%これ!と言う状態に
自分を置かねば人に対して不誠実だ。

そうでないと「純粋=pure」と言えないのでは?
そう信じて疑っても来なかったように思います。

そのように見えている人に憧れたし、
素晴らしいのだと思っていました。笑い泣き

 

 

 

 

でもそれが、
そもそも不可能で、人間らしくなく、
自分を苦しめて続けて来た「信念」だったのか・・・滝汗

悲しいかな、初めて自覚できた。

 

 

 

 


純粋(genuine)であることは

純粋(pure)とは違う。

 

 

 

 

それは、真水でも純正ホワイトでもなく、
心に生じる複雑に絡み合った感情、思考を排除せず
すべて「ある」と引き受けたうえで、
おろおろと迷いながらも
果敢に立ち向かう態度のこと。

 

 

 

 

これは別段、カウンセラーでなくても
日々の生活で誰にでも当てはまる
人生をよりいっそう彩る態度ではないでしょうか?

 

 

 

迷ったけどYESを選んだと言っていい。
NOを選んだけど実は後悔してると言ってもいい。

 

 

 

それが、いま、そこにある。

 

 


そして、いつか
未来のあなたに統合されてゆく。

 

 

 

誰もが本当は純粋(genuine)なのだと思う。

 

 

 

 

 

 

今日も最後までお読みくださり
ありがとうございます。^^

さとうみゆき

 

 

 

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