「今年は10月ってあったっけ?」というぐらい、あっという間に過ぎた10月でしたが、気づけば11月も終わり12月に突入していました…。現在、毎週1~2本締切がある状態がずっと続いているので、恐ろしいほど時が立つのが速いです。最近ちょっとPTAの話が続いていたので、久々に翻訳の話に戻ろうと思います。



最近はもっぱらドラマシリーズや映画の吹替翻訳がメインのお仕事になっています。映画を観るなら絶対字幕派!という人も多いと思います。私自身そうでしたが、吹替の仕事が増えるにつれて、つくづく吹替って面白いと思うようになってきました。



今やっているお仕事は、すでに字幕がある作品の吹替版を作っているので、字幕と吹替の違いについていろいろと考えさせられて興味深いです。ずーっと昔に一度、今回のような吹替の仕事を引き受けて、途中でクライアントに切られたという暗い過去があるんですが、「あの時は切られて当然だよな」とつくづく思います。



当時は、字幕のデータを見て「これをセリフの感じにすればいいのよね、楽ちん♪」なんて鼻歌まじりにさくさく進めていました。でも、字幕と吹替では使うボキャブラリーも違うし、表現方法も違うんですよね。たとえば字幕で「彼は瀕死だ」というセリフがあったとして、いきなり「ヒンシ」と耳で聞いてもピンとこなそうだから「死にかけてる」にするとか気の使いどころが違うので、字幕があっても翻訳にかかる時間は1から訳す場合と実はあまり変わらなかったりします。あの時大きな勘違いをしていた自分を張り倒してやりたい!



今、訳している作品は早口でしゃべっていて情報が多いので、1秒4文字の字幕ではかなり削らざるを得ませんが、吹替えではそれが出せるのがメリット。ちょっと複雑な話なので字幕だけ追っていると話が分かりづらい部分もありますが、吹替なら盛り込める情報が多いし、声優さんの演技で抑揚がついてるので分かりやすい。それにセリフの中に入っているちょっとしたギャグなんかは字幕だと泣く泣く削ることも多いんですが、吹替だと入れられたりするので、ちょっと複雑な話や小ネタが入っている作品は、「絶対字幕派!」という人でも吹替で見るとまた違った楽しみ方ができると思います。



それにしても、吹替の仕事が増えて思うのは、「手が疲れる!」ということです。(吹替の仕事のせいなのか、老化のせいなのか…)吹替の台本にはセリフの他にト書きや、(足音)などの効果音や、セリフの間の(息)なんかもすべて書き入れるので45分のドラマだとだいたい台本はA4の紙に印刷して40ページぐらいになります。それを週に1本ずつ納品するとなると、1カ月に160枚ぐらい原稿を書きまくってるんですよね!先月あたりは手がシビれてきてしまい、整体をやっている友人のところに駆けこんだら「これだけ肩がこってたら手もしびれるよね」と言われるしまつ…。体のメンテナンスもしつつ、細く長くこの仕事を続けていきたいものです。