今年の方針として、「1本の作品を複数人で担当する仕事は受けない」ということを心に決めました。しかし、あるコーディネーターさんからいただくお仕事が、あまりにも毎回「40分の作品を20分ずつ2人で」とか「45分を15分ずつ3人で」というものばかりだったので、思い切って「そういうお仕事はお引き受けしません!」とハッキリ言ってみました。(もちろん表現は柔らかくしてありますよ)すると、いつもはお仕事をお断りした時でも必ず返信をくれたのが、音沙汰なし…。もしかしたら「何をエラソーに!生意気ね!」と思われてしまったかもしれません。



確かにデビューしてしばらく、よくそういう形でのお仕事をいただいていました。複数人で担当することで、新人にも仕事がめぐってくるチャンスが増えるというメリットはあったかもしれません。でも!やっぱりそういうやり方って、良い訳を仕上げるという面では良くないと思うんですよね。分担した翻訳者の間で用語の統一やお互いにチェックはしますが、やっぱり全体の流れとかリズムというものがあるし、人それぞれクセが違うので、同じ1本の前半と後半で分けられると、とってもやりづらいです。しかも結局お互いにチェックをしないといけないからそれほど早く仕上がるというわけでもないし、たくさんの翻訳者にチャンスを広げるという以外にメリットはない気がします。シリーズもので1話ずつ複数で担当することはスケジュールの面などからいっても仕方ないことだと思うんですが、せめて1本は1人でやらせてほしい!翻訳って機械的にただ英語から日本語に訳すだけじゃなくて、担当する作品にはドキュメンタリーにしろ、ドラマにしろ、どんなものでも毎回思い入れがあるし、生意気かもしれないけど最初から最後まで責任を持ちたいと思うわけです。1人で担当するのと分担するのとで仕上がりにそんなに差がでるのか?!と言われたらうまく説明はできませんが、そういう翻訳者のちょっとしたこだわりが微妙ににじみ出るんじゃないのかなと思っています。言ってみれば職人がこだわって作った一品と、量産した物の違いみたいなものでしょうか(ちょっと違うかな??)でも、そのあたりを発注する側の人にも分かってもらいたいと思います。



私は基本的に小さな人間で、メールの返信とかがないと「気を悪くしちゃったかな?」とか、ものすごく気にしちゃうタイプです。今回も「嫌われちゃったかも」と思うと、心がちくっとしますが、言うべきことは言った方がいいのだ!うん。もう一度「嫌われる勇気」でも読み返すかな。