私はブサイク好きと友達に思われている節がありますが、正確には「ブサイクでも面白い人が好き」とでも言いましょうか。そんな私の好きなブサイクベスト3は、江頭2:50、出川哲朗、そして南海キャンディーズの山ちゃんですが、その山ちゃんが本を出していると知って早速購入してみました。



山ちゃんが書いたという事実よりも「天才になりたい」というタイトルに惹かれました。山里亮太という人は、顔はともかく、ネタや番組で言っているコメントがいつも面白いので「この人はきっと頭の回転が速くて、お笑いをやるために生まれてきた人なんだろうな」と思っていました。でも実際は、自分のネタを徹底的に分析したり、面白い先輩芸人のネタをひたすらノートに書き写してみたりと、ものすごく努力の人だということをこの本を読んで知りました。「自分は特別な才能があるわけでもないし、家庭環境もごく普通だし、武勇伝があるわけでもないし、お笑い芸人として有利になる要素が何一つない」というくだりを読んで、思わず自分と重ね合わせてしまいました。私の人生を振り返っても、特に映像翻訳とはまったく関係のない会社にずっと勤め、翻訳の学校でも特に優秀だったわけでもないし、プロになる前のトライアルなんて5回ぐらい落ちてるし…。



「自分は決して天才ではない」と言い切る山ちゃんが気持ちを奮い立たせる方法は、今までちょっとでも人に褒められたり評価された記憶を寄せ集めて作った「張りぼての自信」と、とにかく出来る限りのことはやるという「自分はがんばっていると思える行動」だそうです。「この方法は使える!」と思いました。でも今、「自分はがんばっている!」と胸を張って言えるのだろうか?と考えてみると、確かに頂いた仕事は全力でやっている自信はありますが、「こんな仕事がしたい」と言いながら、そこへ向けて全力で努力をしているか?と言われればちょっと自信がありません。



そういえば先日、今通っている翻訳講座の帰りに、同じぐらいのキャリア(仕事歴5年くらい)の翻訳者さんたちと話している時、「こんなに頑張って仕事してるのに、世に名前が出るわけでもないし、いまひとつぱっとしない。ずっと日の当たる道を歩いてる人もいるのにね~」とボヤいてみると、「そういう恵まれた人はごく一部の人。普通の人間は地道に頑張るしかないんですよ!」と言われて目が覚めました。そして「真面目に仕事していればちゃんと見てくれる人は必ずいる」とも言われ、うん、地道に頑張っていこう、とあらためて気合を入れたところでした。そんな私の心に響く一文がこの本にありました。「(売れるかどうかは)運もあるかもしれない。ただ、自分の道を一生懸命に走っていると人は必ずそこに引き寄せられていくものだ」山ちゃんは知人からこう言われて、「もっと一生懸命頑張ろう」と思ったということですが、私もこの言葉から希望をもらいました。



軽い気持ちで読み始めたこの本に、ずいぶんと励ましてもらった気がします。「たかが芸人の本」とあなどってはいけません!「自分ってダメだな」と思った時の心の持ち方とか、いろいろなヒントが見つかる自己啓発本と言ってもいい一冊だと思いました。