その当時は、子猫を飼ってるという報告のLINE動画を年明けに聞いたくらいでそれ以降は全く連絡をとりあってなかった。

それが突然、週末の夕方に電話がかかってきて、
「みぅニコを預かってくれへん?」
て、ウチとしてもなにがあったん?我が家もなにかとお金の余裕もないしそう簡単にええよ〜とは言われへん状況やったけど。

みぅパパの方が切羽詰まっていた。
電気、ガス止められててスマホは近くの公園のトイレでこっそり充電しながら連絡してきてた。
「俺はどうにでもなる。でも、今みぅニコを辛い思いさせるわけにはいかんねん。俺が落ち着いたらまた迎えに行くから、ちょっとだけ預かってくれへんか?」
そう言うみぅパパの声は、必死というより懇願でした。あの時の彼の声で、ウチは突き放されへんと思った。すぐに、息子を連れて京都まで電車で向かいました。
当時、小5で電車移動などが苦手な娘には絶対に鍵を開けないと約束してお留守番してもらって。

一時間ほど…かな?彼の最寄り駅に着いたので駅までみぅニコを連れてきて!と連絡したら、数分後におもちゃの箱とご飯を抱えた彼があらわれた。……その時に絶句した。

今まで、絶対に自分の格好悪い姿なんてみせなかった人が、ボロボロのスウェットにコート、不釣り合いなハットにしっかり剃り残したヒゲの姿だった。
ウチは、迷わずみぅニコとみぅパパを引き連れて家に戻った。

……今でも、この行動が正解だったのかを自問自答してしまう。