今年も明日でやっと終わる。長い1年だった。

 2日前、仕事納めの日に地方自治体の法人の方と情報交換をした。農林水産省と厚生労働省がタッグを組んで取り組む「農(農業)×福(福祉)」は、オリンピックに向け力を注ぐと言う。既に障がい者が農業に取り組む事業は多くある。公益財団法人や一般法人の助成事業はもちろん企業も参画、活発化している。同じく農業とも言われているワイナリーだが、こちらに関しては推進が遅れている。

ちらほらワイナリー経営者などからは、障がい者雇用をしたいという声を拾う。現在、企業は知的・身体障がい者法定雇用率を2%としている(今後平成30年以降は精神障がい者雇用を義務化していく)。成功事例として「ココ・ファームワイナリー」は承知のワイナリーだが、ここは特別である。創設者である「こころみ学園」園長の川田先生の思いと志があり、障がい者支援施設「こころみ学園」の園生のために開墾したワイナリーである。各々の障がい者がいきいきと生活できるよう、ブドウ栽培を手がけた。障がいの度合いにより、適材適所の仕事を見極め、1年を通して安定したブドウ栽培そしてワイン醸造を長年手掛けている。障がい者施設あってのワイナリーといえる。ワイナリありきで障がい者雇用という雇用と事業性のハードルは高いと思う。とはいえ現在は、NPOなど法人がワイン造りに障がい者と一緒に汗をかき、今後のワイナリー醸成に尽力している。課題を抱え、進まぬ「ワイナリー×福祉」については、更なる深掘りしていかなくてはならない気がしてきた。