ご無沙汰しております。

前回、3月に米国の金融システム不安は、根が深いとお伝えしました。

現状、何も解決出来ていないように感じます。

今回、米国で破綻した3行は、リーマンショックの時のたくさん破綻した銀行群と比べると、規模が圧倒的に大きい銀行です。

言えば、もっと脆弱な銀行は、たくさん存在している可能性が多分にあります。

当局は、どこまで救いの手を出し続けることができるでしょうか。


金融機関のシステムを苦しめたのは、急速な金利上昇による、保有債券の価格の急落です。

金利上昇は、インフレを抑え込むために、FRBがFFレートの引き上げを急速に行った結果です。

昨年の秋口ころから、インフレ率はピークアウトしてきましたが、この4月で、まだ4.9%です。

米国のインフレ目標は2%ですので、まだまだインフレは高水準にあり、利下げなどするような環境にはありません。

ただ、利上げを継続すれば、金融機関でまた苦境に立たされるところが出てきてしまう可能性があり、FRBの舵取りが難しくなるというのが、春先以降のメインテーマでした。


しかしながら、前からわかっていたことではありますが、米国の債務上限の問題がやってきました。もちろん、ギリギリまで政治パフォーマンスが繰り広げられ、結果的にはデフォルトは回避されるのがシナリオであるとは私も思います。

しかしながら、債務上限を上げることにより、本日格付け機関のフィッチも米国債の格付け見通しをネガティブに引き下げました。

格付けが下がれば、調達コストが上がります。つまり、米国債の金利は上昇します。また、債務上限を上げる時には、短期国債を大量に発行する対応になるかと思われ、債券の需給が緩み、金利上昇圧力がかかるかもしれません。

つまり、インフレ対応の金利上昇だけではない、米国債の金利上昇要因が明確に出てきた格好です。5月に入ってからの米国債の利回り上昇とそれによる、円安ドル高の流れが物語っています。

つまり、債務上限の問題が切り抜けられても、金融システムリスクは、さらに上昇してくることになります。

また、大量の短期国債発行により、その出しどころが、銀行預金からになると、銀行預金が吸い上げられる形になり、銀行システムの負荷が強まることにもなるかもしれません。


私は、昨年から、リスクの話をし続けてきましたが、日経平均は3万円を突破しました。今朝は、エヌビディアが時間外取引で20%超上昇し、今夜の市場で最高値更新するかもしれません。

結果的に、年前半は、起こるリスクに対して各国政府が対応してこれたことが要因だと思います。


しかし、皆さんが、油断した時が最大のリスクです。

銀行不安から、銀行から預金の引き出しが殺到しないように、皆さんが安心できる状態を作れる政策を敷いて、安心感を演じている状態です。


2007年8月、BNPパリバショックからのサブプライムローンショック、しかし、その後10月にNYダウはその時の最高値を形成しています。

その後2008年3月に米国の証券会社、ベアスターンズが破綻し、JPモルガンが買収。これで収まったのかと思いきや、その9月にリーマンショックが訪れます。


着実に、現在、世の中はリスクに向かって歩みを進めていると私は、考えております。

コロナでお金をばら撒いたツケは、必ず払わされます。

この局面で、ご不安に感じる方は、ぜひ私にお問い合わせください。

今まで、痛い目に何度もあった経験から、お伝えさせていただきたいと思います。

クラッシュする相場で悲しむ人を1人でも少なくしたいと思っています。

ご資産を守る方法は、いくらでもあります。


長くなりました。

引き続き、何卒宜しくお願い申し上げます。