【原作感想27】きのう何食べた? #69原作ネタバレかなりあります。 | a day in my life

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日々、思ったこと、感じたことをのんびりと書いていきます。

「さーて、始めるか!」

クリスマスも仕事納めも終わった12月30日の夜のシロさん。

「え?今ごはん食べ終わったとこなのに?」と

ケンジは不思議そうです。

 

「どうせちょっとしか炊かないんだから張り込んで丹波産だ!」と

丹波産黒豆を出すシロさん。

「……何で?」

「あれ?だってお前、お節の中で黒豆が好きだって

言ってなかった?だからいっちょつくってみようかと思ってさ」。

「あ……うん、それは言ったけど。だってシロさんお節って……」。

「だって、俺、正月にはもう実家には帰んないから。

ずっとお前とこっちにいるからさ」。

ケンジはビックリです。

 

シロさんが黒豆の下ごしらえをしている間

ケンジは湯船につかりながら、シロさんが言ったことを考えてる。

お風呂からあがって、ケンジがシロさんに話しかけようとすると

「うん。この前実家に帰ったときに両親にはちゃんと伝えてきた」

とシロさん。

 

[ケンジがもし俺のお嫁さんだったら、その嫁に正月

夫の実家にくるなと伝えることがどんなにひどいことかわかるよね。

でもケンジがお父さんやお母さんにとって嫁さんとは違うことは

わかっている。無理矢理ケンジと仲良くやってくれとは

こっちも言えないよ。しかもお母さんの具合が悪くなるほどの

ストレスなら、もうここにはケンジを連れて来ようとは俺も思わない。

その代わり、俺もこれからの正月、このうちには帰らない。

もともと正月にはちゃんと実家に帰れって俺に言ってくれたのは

ケンジだったんだよ]。

 

「そんなわけで今年からはずっと年末年始はうちにいるから

なますと黒豆と雑煮ぐらいはつくるわ。んじゃ、俺も風呂入ってくる」。

唖然とするケンジ。

 

翌日、下ごしらえしていた黒豆を炊きながら、やっと起きてきた

ケンジのために小豆から炊くお汁粉をつくることに。

ケンジの美容院はこの頃はもう大晦日お休みです。

住宅街にある美容院だから大晦日は意外とヒマなのかもね。

お汁粉ができるまで、ケンジは掃除、シロさんはお節の続き。

 

おいしいお汁粉を食べながら、ケンジは昨夜から

気になっていたことを口にします。

「ねえ、シロさん……お正月一緒にいてくれるのは

とてもうれしいよ。けどさ、けど……俺のせいでシロさんが

親御さんと絶縁するなんて俺いやなんだよ。だってさ――」

「ケンジ」 シロさんがケンジの言葉を遮ります。

「絶縁じゃないよ。これから盆暮れ正月以外には実家に顔を出すし

親の葬式は俺があげようと思ってる。

両親と親子の縁を切るつもりなんて全くない。

ただ俺は俺にとって一番大切な人と正月を過ごしたい。

いいじゃねえか、お前と俺だけで。

こないだの正月は寂しい思いさせて本当にごめんな」。

すみません。ここで涙腺崩壊です。

 

ケンジがシロさんの実家を訪ねてから2回目のお正月なんですね。

シロ父から、2人が帰ったあと母親が寝込んでしまったので

次のお正月にはシロさん一人で来てほしいと言われてました。

でもケンジが悪いわけではない……。

ジルベールが言ったように、息子の彼氏を目の当たりにするのは

やはりショックで、受け入れることが難しかったんですね。

そのお詫びに京都旅行に連れて行ってもらったわけだけど……。

次の大晦日、シロさんが一人で実家に帰るとき

ケンジのことだから、寂しくてたまらなかったのに

「大丈夫、大丈夫。行ってらっしゃい」ってシロさんを

送り出したんだと思う。

 

残念ながら1度しか2人でシロさんの実家に行くことはなかったけど

ケンジはシロさんが両親といい関係にあることを願っていて

お正月は実家に帰ることがいいと思っている。

でもシロさんは「一番大切な人と過ごしたい」と……。

好みとか好みじゃないとかいうレベルではなく、シロさんにとって

ケンジは人生のパートナーとして“大切な人”になっていたんだ。

シロさんの両親へのきっぱりした態度は

私もうれしかったよ。泣けた……。

 

元旦。いつもの食卓で新年の挨拶。

お正月も2人にとって日常になったんだってほっこりした。

 

京都旅行の帰りにはケンジが「俺が本当にシロさんのお嫁さんなり

おムコさんだったら」って言ってるけど、シロさんは

「ケンジがもし俺のお嫁さんだったら、その嫁に正月

夫の実家に来るなと伝えることが……」って嫁、夫がはっきりしてる。

これってシロさんの両親への気遣いかな。

だって、ケンジが女装していることになっているんだもの。