ひさびさになってしまたよ
お越しくださったお客様
Twitter等でおとぎりそうについて書いてくださったお客様
皆さま、本当にありがとうございました。
わたしはB班の紺野那尋(こんのなつ)を
演じさせていただきました
那尋はとてもクールで実際のわたしとは真逆
上手く表現出来ていたのかは分かりませんが
わたしの中の那尋は本当は普通の子で
本当にただ恥ずかしがり屋なだけで
いつもそんなつもりじゃないのに
上手い言葉が見つからなくて
相手に時に嫌な思いをさせてしまうこともある
生きていれば必ずといっていいほど
出会うタイプの女の子だと思っていて
きっと、那尋自身もそのことは分かっていて
だけどどう変わればいいのか
変わる必要もあるのか、と正当化したりもして
本当に本当にどこにでもいる普通の子
だけど仕事の時はしっかりしていて
必要以上の感情を表に出さなくて
仕事は出来るけど愛想がない、と言われるタイプ
これも生きてれば出会うタイプですよね(笑)
きっと祥子とはいつもあんな感じで
ギャーギャーやってて
那尋の中で祥子はそういった意味では
素の自分を少し晒け出せる相手で
自分の中では少し心が近い場所にいて
杏に関してもきっと尊敬をしていて
仕事も出来るし周りも見れる
憧れの大人って感じで思っていて
仁(先生)のことはなんか嫌いって作中でも
動機として話してるけど本当にそのままで
わたし的には、きっと同族嫌悪みたいな感じで
そんなつもりないんだろうけど
人を平気で傷付ける言動を繰り返す仁が
「なんか嫌い」だったんだろうな、と
だからこそラストの方で
みんなが仁を責めてる時、那尋だけは
責めてるとも言えない感情だった
みんなが仁に投げる言葉が全て
自分にも投げられてるような気がして
日に日にあのシーンがしんどくて
仁へ「わざとじゃなければあなたを殺しても許されるんですか?」「限度?それも人それぞれでしょう」というセリフがあるんだけど
あの時わたしの那尋は
みんながこうして言葉を投げて
色々と教えているのにそれでも
でも、だからって、と繰り返す仁へ
なんで分からないんだ、という気持ちもあって
強く那尋なりに気付かせたくて
だけど優しくは言えなくて
本当に複雑で、だから感情がぐちゃぐちゃで
泣きそうにもなってしまって
そんな中で祥子や翼、杏の言葉を聞いて
こんなに最低なのに
わたしがわたしの中で嫌いな部分に
こんなに似てる人なのに
どうして好きだと言ってもらえてるんだろう
とか、こんなに思われてるんだろう、とか
そんな感情と同時に
わたしにはこんな風に言ってくれる人は
居るんだろうか、とかそんなこと考えてて
もしかしたらわたしが
仁のように殺意を抱かれていても
仕方がないんじゃないだろうか、とか
そして仁が謝った時に衝撃で
謝るとは思ってなくて
変わろうとしてる仁を見て自分を省みて
わたしも変わりたい、変われるかな、って
そんな気持ちでいっぱいになって
ぐちゃぐちゃすぎて
だから仁へ少しまだ当たるように
口悪いですもんね、と言葉を言ってしまって
それはあんたもだろ、と言われて
自分ももしかしたら、の気持ちを込めて
これからは気をつけます、って出て
そのあと仁に謝るのも
本当はめっちゃ嫌で!(笑)
だってなんか嫌いな人に謝るってさ
結構勇気のいることだと思うんです
だから那尋なりに必死に勇気を出して謝って
謝れて、やっと変われるかな、と前向きになれて
と、那尋という子は凄く複雑で
ただこれはわたしが色々想像して
創り上げた那尋だから
それが正解だとかは分からないです
だけどわたしの中では
板の上に立つ役の中で
必要のない人っていないと思っていて
それは人生もそうで
自分主軸のストーリーの中では
ただのモブとなってる人であっても
その人にはその人のストーリーがあるわけで
だからわたしはあの「おとぎりそう」の中で
紺野那尋の人生のストーリーを創ってみました
こういうの上手く表現出来るほど
ステキな演技が出来るようになりたいなぁ
那尋を創り上げるのは一人では出来なくて
カンパニーのみんなに相談したり
作演の冨田さんや劇団員のきのこさん
色んな人に話したり相談したりして
やっと創れた那尋で
本当にみんなに感謝しかありません
わたしはこれまで4作の舞台に出たけれど
ここまでの人数で
こんなに仲良くなれたカンパニーは初めてで
本当に本当に嬉しくて毎日楽しくて
ひょんな縁から繋がった舞台でしたが
本当に受けて良かったな、と心から思います
時にはぶつかったりもしたし
涙を流す人もいたし
両班とも全てが順風満帆ではなかったです
だけどだからこそ
千穐楽の最後の最後まで
全員が気を引き締めて
しっかり役に向き合っていたんじゃないかな、と思います
本当にこの作品に出会えて良かったし
紺野那尋を演じることが出来て幸せでした
公演中スタッフをしているわたしに
声をかけてくれたりお手紙くれたり
この公演で知ってくれたりしたお客様も
本当にありがとうございました!
また機会があればどこかで
お会いできたら嬉しいです
ステキな共演者様と
スタッフさん、劇団の方、お客様に出会えて
本当に幸せでした
本当におとぎりそう
ありがとうございました!
皆さまの心に何か残る作品だったら嬉しいです
ちなみにこちらは余談ですが
作品の登場人物の役名のフルネームを
アナグラムにすると
今回の作品のラストの答えになるんです
よかったら是非解いてみてくださいね
大崩 仁(おおぐえじん)
二瓶 杏(にへいあん)
橋野祥子(はしのしょうこ)
野々村翼(ののむらつばさ)
紺野那尋(こんのなつ)
野方千瀨(のがたちせ)
中井 郷(なかいごう)
佐藤勇軌(さとうゆうき)
この作品に出会えたことが
たくさんの大きな幸せです
柚希未結