『ももちこと嗣永桃子♡』と書いたお手製画用紙を紙芝居みたいにして楽屋に入って来る女。が、

 

アイドル人生15年を機に、6月末で引退すると連絡をもらったのが11月頃だったでしょうか。

 

そんな『ももち』の集大成とも言える超豪華なCDアルバム『♡ありがとう おとももち♡』が来週28日に発売されます。

 

アイドルって本来は「無自覚の賜物」だと思うのですが、ももちはアイドルとしての自覚と自我を武器に、本物のアイドルに成り得た初の女性です。まさに職人アイドル。アイドル職人。『アイドル』と『職人』は対義語なはずなのに。60年代以降、日本が育んできたアイドル文化にとって、ももちはひとつの到達点なのかもしれません。

 

で、この度、ももち最後のアルバムに、楽曲を提供させて頂きました。

『気ままな片想い』という曲です。

 

元の元の元は、20歳ぐらいの時に、どうしても大瀧詠一さんのナイアガラ風味を唄いたくて、自作自演していた曲で、その後いろいろと手直ししたり、放置したりしつつも、ずっと22年間頭の片隅にこびりついて離れなかったフレーズがあって、3年ぐらい前にもう一度引っ張り出して今の形になりました。そして再び自分で唄ってみたり、星屑スキャット3人で唄ってみたりしている内に、「この曲は、本当のアイドルが唄って初めて完成する」ということに気付いたのです。

 

そのとき、私の頭の中で流れていた声の主。それがももちだったというわけ。

 

そう思っているところに『引退』の連絡が来たものだから、慌ててデモテープを作り、「意味分からないと思うけど、貴女に唄ってほしい曲があるの!」と送りつけたのが去年のクリスマスでした。

 

『制服のまま夕方の改札で待ち合わせして、長い商店街のアーケードの商店街を抜けて、ひと駅分ぐらい並んで歩くだけのプラトニックなデート』。私がひたすら憧れ続け、もちろん叶うはずなどなかった学生時代のファンタジーを、ももちが、そしてカントリーガールズのみんなが素晴らしい王道アイドルポップスにしてくれました。

 

アレンジは、森高千里の時代からずっと聴いてきた高橋諭一さんで、これまた感激。

 

先日、カントリーガールズのコンサートに伺い、この曲を唄う6人の姿を観ました。しょっぱかった私の青春時代が少し報われたような不思議な気持ちになりました。ももち、唄ってくれてありがとう! そしてももちが抜け、本当の『ガールズ』になる若きカントリーガールズのみんな、今後もどうかこの子を歌い継いでいってくださいませ。またこっそりと覗きに行きます。

 

皆さんも是非!

ももちのアイドル魂、15年の職人魂。ハロプロの最上座!

 

 

 

 

そして、私も今は我が子を立派なお家に嫁がせた親の気分なので、安心してカバーできそうです。