おひさです。
 

ハローウィン?

ハロウィーン?

ハロウィン? 

 

いずれにしても、

厄介な行事が定着してしまったものです。 

 

私のような365日『装い者』としては、

一年で最も、

どーでもいい行事です。

 

なのに周囲からは、

一年でも最も、

気合の入る行事でしょ?と、

決めつけられることも少なくないため、 

 

結果、

一年で最も、

気を揉む日になってしまいました。

 

 

ハロウィンの本来の意味合いなど、

どこかにすっ飛ばして、

ただただ仮装を楽しむ日と化してしまっている日本ですが、

 

そんなのはよくあることで、

何が厄介って、 

この『仮装』ってやつです。 

 

もうちょっと手の込んだところで、

『コスプレ』というのも浸透している昨今ですが、 

 

普段私に付けられている『女装家』なんて肩書きが、

ジャンルや芸として確立しているのであれば、

やはりそれは、

『仮装』でも『コスプレ』でもないわけです。

 

 

言うならば、

私の中で女装というのは、 

気質であり、

とても細やかな設定であり、

慢性的な発作であり、

もはやどうにもならない人格みたいなものだと捉えています。

 

そんな『癖-へき-』を抱えて、

しかもそれを職業としている私は、

 

端から見れば、

『仮装大好き人間』と取られても、

仕方ないのかもしれません。

 

 

仮にもし、

竹内まりやさん辺りが、

『毎日がハロウィン』なんて曲を歌っていたら、

 

すぐさま、

『あ、それって私のことだわ!』と、

主張する自信もあります。 

 

毎日がハロウィン……。

 

なんて自堕落な響き。

人として最低な生き方よね……。 

 

 

だからこそ。

 

たかが年に一度、

イベントとして仮装して、

浮かれ喜んでいる人たちに、

混ざることなんてできないのです。

 

ましてや張り合うことなんて、

絶対にできない。 

 

似たようなことだからこそなおさらに。

 


 

高校の頃、

通っていた英語塾で、

ハロウィンパーティがありました。

 

まだ自分の中の『女装チャンネル』を、

表に出した経験がなかった私は、

これ幸いにと、

本気で女装してしまいました。 

 

そしたら大変。

一同ドン引き。

 

『笑えない。』 

『違う意味で怖い。』などと、

 

散々な言われ様のまま、

学芸大学の商店街を、

『HAPPY HALLOWEEN!』と叫びながら、

練り歩いたという思い出があります。 

 

そうなのです。

私の本気は、

ハロウィンの浮かれモードにそぐわない。 

 

かと言って、

中途半端な仮装をしたんじゃ、

私の性(さが)が許さない。 

 

ハロウィンの日こそ、

私は誰よりもおとなしくしていなきゃいけない人種なのです。 

 

ね?

気を揉むでしょ?

あなたも私も。

 

 

 

今日も番組で、

『ハロウィン当日なので、出演者全員で仮装を!』という、

至極まっとうなプランが浮上しました。 

 

普段から面倒臭い性格の私が、

一年で最も面倒臭い女になる日です。

 

申し訳ないなと思いつつも、

一年で最も簡単には引けない・譲れない日です。

 

ちなみに、

この番組では毎週、

『女子アナ』という、 

非常にコスプレ要素の高い設定で、

出演していることもあり、 

女装者としては、

すでに一枚皮を被っている状態なのです。

 

そんなことが、

観ている人や周りの人たちに伝わっていないことなど、

重々承知はしています。

 

でもここで私が、

仮に魔女の格好をするとなると、

 

それは、 

『"ハロウィンで魔女の仮装をした女子アナ"のコスプレをした女装』となります。 

 

そんな難解かつどうでもいい設定、

プロとしてサービス精神ゼロです。

絶対ダメです。

 

そもそもそんな設定、

どう表現すればいいか分かりません。 

 

かと言って、

そこで何もしないのは、

余りにも協調性や社会性に欠けます。

 

今さらではありますが。

 

サボっているように思われても、

それはそれで心外です。 

 

 

ならば、

女装である私が、

本気で『仮装』できるテーマを探してみようと、

いろいろ考えてみました。 

 

行き着いたテーマは、

 

『男装』。

 

  

これならば、

女装した私の姿を、

『日常』として捉えてくださっている世間の皆様にも、

 

『非日常的な格好をする』という、

ハロウィンの解釈に乗っ取った、

ご理解とご納得を頂けるのは……と。

 

自分としても、

もう一段階手間をかけたことにもなります。

 

 

 

しかしというか、

やはりというか、 

 

世間様の反応は、

 

『ミッツ普通に戻っただけ!』

『これがミッツの普段の姿?』

『あ、修平だ!』などなど、 

 

実に、

見識と読解力が浅くてらっしゃる。 

 

 

 

いい?

 

面倒臭いこと言いますよ? 

 

 

女装→本来、生物学的にメスではない者が、女を装うこと

男装→本来、生物学的にオスではない者が、男を装うこと

 

です。

 

 

ということは、

男である私が男の格好をしたとしても、

それは男装ではありません。

 

 

これは、

『男装した女性』をテーマにした『女装』という、

非常に複雑であり、

かなり難易度の高い装いなのです。 

 

 

どうです?

 

いよいよもって、

面倒臭くてたまらないでしょ? 

 

 

我ながら、

何とも言えない『業の深さ』すら感じます。 

 

長年の劣等感への復讐とでも言いましょうか。

 

 

 

でもこれ、

ホントにただのおっさんじゃん……。

 

という声も。

 

   

かも知れません……。 

 

だとしたら、

私の力量不足です。

 

女装力不足。

 

普通だったら、

不足してて結構な力です。

 

 

 

わざわざ男装して、

結果おっさんに戻ってしまうのならば、

それは女装する者にとっては、

技でも仕事でもなく、

 

ただの怠慢であり手抜きでしかありません。

 

そんなことはないと願いたい。

 

なぜなら、

こんな不自然で気持ちの悪い男、

私見たことないですもん。

 

  

39歳の修平くんは、

こんなんじゃないですもん。 



あ。 

もうひとつだけ、

気持ち悪いこと教えてあげる。 

 

本来ならば、

平らな胸にブラをして、

その上にサラシでも巻いて、

シャツを着るという行程が、

女装者にとっての男装の流儀だと思ったんだけどさ、 

 

面倒臭かったんで、

初めて、

ブラを着けずにテレビに出ちゃった……。

 

ね?

気持ち悪いでしょ?

 

このこだわり、

悪質でしょ?

 

 

 

 

それにしても。

そのままの自分では、

絶対にできなかった、

絶対にしたくなかった、

男っぽい表情や佇まいや喋り方も、

女装という行程をひとつ噛ませれば、

むしろノリノリでできてしまう不思議。

 

 

昔から、

マニッシュな女性は好きでしたが、

 

 

変な話、

この状態ならば、

普通のゲイ男子として生きていくことも、

できるんじゃないかって思えてきてしまうから怖い。

 

絶対無理なのに。

さんざん挫折したでしょうに。

 

 

もっと変な話、

この勢いでなら、

女と恋愛とかできちゃうような気がする……ことは、

 

 

まずないです。悪いけど……。

 

そりゃハロウィンなんて、

楽しめるはずがありません。

 

魔女の格好しといて、

呪文の言葉も用意してないなんて、

詰めが甘い!って思ってしまうもの。

 

そんな面倒臭い奴に、

ハロウィンを楽しむ資格なんてないんです。

 

 

 

だからお願いします。

 

間違っても、

こんな姿をした私を指して、

 

『普段の姿』

『普通に戻った』なんて、

 

軽々しく言わないでね……。

 

   

 

このスーツ姿が、

私にとっての『普通』や『普段』で、

『普通』の世の中的にも、

しっくりきていたら、

 

あんなにも親を心配させることはなかったろうし、

もっと朗らかで社交的なゲイ・ライフを送れていたはずです。

 

とかなんとか、

悲劇のヒロインみたいなことを言うのが、

結構得意です。

 

 

結局は、

こういう面倒臭い意地と自意識を、

皆さんに面白がって頂けてるから、

 

今日もこうして生きていられるのです。

 

 

ご面倒かけます。 

 

 

3時間前の私の姿。

これが普通になってしまった私の姿。↓

  

不思議とこれが安心するでしょ? 

粘り勝ち。