日本人は3択から選ぶ人生を望んでいる | 神楽坂のメダル屋さん

神楽坂のメダル屋さん

ひらがな忍者 / 神楽坂のホームページ屋さん / サカモト彫刻 / 起業

日本人は3択がお好き?

みなさん海外ドラマは好きですか?

 

わたしはドラマ24が流行った時に見はじめて、そのあともヒーローズやウォーキングデッドやブレイキングバッドなど海外ドラマにはまってしまいました。

 

その中でもわたしのお気に入りはビッグバンセオリーです。

 

ビッグバンセオリー - シェルドンのトッピングのこだわり
海外ドラマ「ビッグバンセオリー」

シットコム(主要な舞台や登場人物が決まっていて、基本的には1話完結、笑いどころにはラストラックという人工的な笑い声が挿入さるなどの特徴をもったコメディ)という種類のコメディドラマです。

 

海外ドラマのフレンズやアルフもシットコムですね。

ビッグバンセオリーの登場人物には、博士号をもった研究員のシェルドン、レナード、ラージとエンジニアのハワードのオタク系(理系)男子4人がいます。

 

またアパートの隣の部屋に引っ越してきた女優での成功を目指す普通の女の子、ペニー。オタクたちとペニーのやりとりが面白いコメディドラマです。

 

特にシェルドンは変わっていて、いろいろ面白いシーンがあるのですが、きにいっているのは、レナードが買ってきた弁当のトッピングがシェルドン仕様になっているか確認するシーンです。

 

このシーンはしょっちゅうでてきます。

 

シーズン2第7話の「オタク青年と対決するための法則」では、このようなやりとりがあります。

シェルドン「ハンバーガーの焼き加減はミディアム?」レナード「うん」
シェルドン「ディルをスライスにした?」レナード「うん」
シェルドン「つけあわせは別にした?」レナード「うん」
シェルドン「パン粉の増量は?」レナード「頼んだ」
シェルドン「何て言われた?」レナード「ダメだって」
シェルドン「抗議した?」レナード「うん」
シェルドン「激しく?」レナード「いや」
シェルドン「なのにやけに遅かったな!」レナード「、、、」

 

このやりとりを見ていると前の仕事で東欧に滞在していたとき、カフェで店員のおばさんにコーヒーを注文した時を思い出します。

 

ヨーロッパはコーヒーの本場ですのでただ「ホットコーヒー」と頼んでもなかなかでてきません。

 

日本のカフェだとホットコーヒーといえば「ブレンド」か「アメリカン」の2種類くらいのことが多いですが、むこうのメニューではたくさんあって違いがわかりにくいです

 

。エスプレッソ、ダブルエスプレッソ、ショート・ロングコーヒー、ディカフェなど。

 

よくわからなくてじゃあ「アメリカンコーヒー」ありますか?と聞いたらおばちゃんは「なんだアメリカンって?」となりました。

 

そう、ここにはアメリカンなんてものはありません。

 

だんだん慣れてきてロングコーヒーを頼むようになったのですが、「ミルクは?」と聞かれると、入れてくださいと言います。でもおばちゃんはすぐ「どのくらい?」と聞いてきます。

 

つまりコーヒーを頼むのにいろいろやりとりが発生します。(そして油断しているとときどきぼったくられそうなときも)

 

なんだか面倒くさいようですが、慣れてくると不思議なもので、このやりとりがないと物足りなくなってきます。わたしがはこのようなやりとりや自分のこだわりを求めることが好きです。

 

ベストは3択では決められない

気づいたら日常で手にいれるものをS、M、Lの3つから選ぶことが当たり前で違和感はありません。

 

本当に自分が飲みたいコーヒーのサイズは、SとMの間でややMよりの量かもしれません。着る服でも人によって肩幅や腕の長さやお腹まわりは違います。

 

でも選択肢はS、M、Lの3つです。

 

よみがえれ、社章

 

既製品になれば3種類を大量生産することで製造コストは下がります。

 

買う人はお手頃の値段で買うことができます。それで商売は成り立つのです。スーツや服でも、買う人の腕の長さ、肩幅、体型にあわせて服をつくることは、そのために型もつくるし、量産しないため既製品にくらべてコストはあがります。

 

なかなかオーダーメイドのスーツは手が出しにくいですが、手に入れれば自分だけのオリジナルなんです。

 

しかし東欧のカフェやビッグバンのシェルドンみたいに、トッピングや店員さんとのやりとりで自分の好みにより近づけるようにできます。

 

カフェでは店員さに言ってミルクをぎりぎりまでいっぱいいれてもらいます。

息子がいるので食べやすいようにサンドイッチは3つに切ってもらいます。

 

じぶんようにトッピングすることは、自分が買うものをできるだけいいものにしようという最後の抵抗です。

 

オーダーメイド・カスタムの魅力

家でパスタをつくるときはオリーブオイルや塩やパスタの量は自分で決められるので、じぶんだけのパスタをつくることができます。これはハンドメイドでアクセサリーをつくることにもいえます。

 

サカモト彫刻が提供するサービスは、メダル・コイン・社章などのオーダーメイドです。そのためサイズはS、M、Lではなく直径26.5ミリ、厚み2ミリ、材質がSILVER925などお客様と決めた仕様で製作を開始します。

 

そのため、一番いいコイン製品はこれという1つの答えがあるわけではありません。直径40ミリの大きいコインだって直径5ミリのコインも、それが求めているのであればどちらも正解です。

 

一番いいものを求めたら細かいやりとりが必要です。メダルの光沢はだすのか、部分的に光沢をおさるのか、アンティーク風にいぶし加工にするのか、そしてそれは金色系にするのか銅色系にするのか、はたまたおまかせにするのか。

 

人によってはそれが面倒くさいと考えることもできれば、人によってはそれができるのは豊かな人生だと考えることもできます。

 

オーダーメイドといっても道しるべは必要です。コインだったら直径、厚み、材質、デザイン、仕上げ、個数などを対応可能範囲の中から決めてもらいます。そのうえでできるだけ低コスト、高品質、短納期でお客様にご提供できるように準備をしています。

 

わたしの見解ですが、日本人はどちらかというと与えられた選択肢のなかで満足してしまうタイプではないでしょうか。

 

10代の若くて感受性がつよい時期に、受験勉強で三択とか四択とか選択欄から回答をえらぶことになれすぎてしまったのでしょうか。3つの中から1つを選ぶのは場合によっては妥協であり、それを続けていくと妥協の人生になるかもしれません。

 

まわりに合わせて空気を読んだり、与えられた選択肢のなかから選ぶのではなく、じぶんのなかの自分仕様の答えを求めて3つの外に丸をつけにいくのもありなのではないでしょうか?

 

牛乳をいれてもらうときには手でジェスチャーしてこれくらい、これくらい、「OK」っていったら止めてもらいましょう。たぶん店員さんはめんどうくさいなと思うかもしれませんがそれでいいのです。

 


製造業 ブログランキングへ