ミュージシャンの友人が着ていて美しかったので、試着してみたが似合わなくてホッとした。
そのミュージシャンの彼女は私の憧れだ。日本中、世界中を演奏してまわり、大使館や財界人や政治家のパーティーに呼ばれ、忙しい日々を過ごしている。そんな忙しい彼女と一緒に食事したとき、華やかなワンピースの上に、このマックスマーラーのレインコートを着て現れた。彼女がレストランでレインコートを脱いだ瞬間、場の空気が一変するほど美しかった。
私はマックスマーラーのレインコートが欲しかったわけでわない。彼女のレインコートの美しい着こなしに秘められたストーリーに魅了されたのだ。
そんな彼女が少し時間ができたらしく、真夜中の呼びだし、旬楽で一杯。
確かに彼女は、この地位に登りつめるために平凡な幸せは捨ててきた。「なりたい自分になれたんだから、お互い頑張ろう」と言って二人で飲んだ。
この気持ち、メンズにはわからない。

