今日は大雪でしたね。
朝方にケータイがなり、
『外、めっちゃ雪積もってますよ。』
という後輩のメールで目を覚ました、
『こいつ、どういう感じで俺にメールして来たんやろ、俺等付き合ってないよな‥。』
そう戸惑いながら、僕は窓の外を見た…。
予想していたより、8倍程雪は積もっていた。
大雪のせいでライブは中止になり、僕はせっかくだし散歩に行ってやろうと身支度を始めた。
勝手に桝本君のダウンジャケットを羽織り、完全防備をすませ僕は家を出た。
玄関の鍵を掛ける間に、僕の‥いや桝本君のダウンジャケットには少し雪が積もっていた。
そして、雪の上を恐る恐る歩き出した僕の前に、不思議な光景が飛び込んで来た。
何と桝本君が、駐車場で傘もささず、笑顔で雪だるまを作っていたのだ。
僕は思った、
『これは世界の浄化だ。』
街も車も人も、汚れたモノ全てを浄化する為に、この雪は降り積もったんだと。
その証拠に、桝本君には一切雪が積もっていない。
そりゃそうさ‥、
大雪の中サンダルを履き、笑顔で雪だるまを作っている、そんな無邪気なオッサンを浄化する必要などないのだから。
桝本君の顔に、この歳になってなおニキビが出来るのも納得がいく。
その溢れ出る無邪気さ故に、身体がまだ思春期だと勘違いしてしまってるんだろう。
このまま見ていればその内、筋斗雲を呼んでコンビニに行ってしまうかもしれない。
僕は傘を閉じ、この浄化に身を任せるように歩き出した。