昨日は夜からライブで、場所が吉祥寺を経由すると言う事だったので、早起きして吉祥寺探検をする事にした。
探検なんて表現をしてしまうと、肩から水筒をかけ、手にはたいまつを持ち、藤岡弘を隊長と呼んでそうだが、勿論そんなことはなく、鞄の中には、誰かに貰ったじゃがりこと、桝本君に渡す為に取ったホットペッパーが入ってるだけだった。
きっと僕がOLなら、休憩時間は大活躍だろうなと、ふと思った。
吉祥寺に着き、まず僕はラーメン屋に向かった。
昔、大阪で活動してた頃、既にこっちで活動していた親友に会う為東京に来た事があり、その時教えてもらった思い出のラーメン屋だ。
昔とはやはり景色が変わっていて、探すのに苦労したが、宝物を探すような感覚だったので苦ではなかった。
一時間ほど歩き、やっと見つける事ができた。
ただ正直、その店を見つける前に美味しそうなラーメン屋を三軒程見つけていて、その中の一軒にはほぼ入る気でいた。
『とりあえずあの角まで見に行って帰って来よう』
その結果、思い出の店を見つけてしまったのである。
80%位違う店に行く気だったので、
『うわ‥、あったやん‥』
と、思わず呟いてしまった。
そしてラーメンを食べた後は、井の頭公園に向かった。
石畳の階段を降りると、清々しい景色が飛び込んでくる筈だったが、あいにく工事中だったので土木作業員のオッサン達の飛び散る汗と、仕事に励む真剣な眼差しを目に焼き付けるハメになった。
公園では、カップルや家族連れがスワンボートに乗っていて、柔らかな空気が流れていた。
見ていると僕もボートに乗りたくなってきて、とりあえず乗り場まで歩いて行くと、カップルや家族連れから完全に悪意のある目を向けられたので、軽く会釈をしてその場を後にした。
気持ちを切り替えて商店街の方を歩いてると、後ろを歩いてるオタクのカップルに付けられてる気がした。
とりあえず曲がってみると、そのカップルも同じ方向に曲がってきた、
まさかと思い次の角をまた曲がると、やはりついてくる。
更に曲がるとまたついてくる。
疑いが確信に変わった僕は、次の十字路を左に曲がり止まって待ち伏せをした。
すると、まさかバレてるとは思ってないカップルがノコノコとついて来た。
そして十字路を右に曲がって行った…
『うそっ!?ほな逆にどこ行く気やねん!』
気がついたら、気になり過ぎて僕がそのカップルの後ろをつけていた。
すると甘い香りのたちこめるクレープ屋にカップルは到着した。
僕はそのまま仕事に向かい、10分ほど遅刻した。