NHK BSプレミアムで放送中のドラマ「小吉の女房」(毎週金曜夜8:00-8:45、NHK BSプレミアム)。
同作は勝海舟を育てた型破りな夫婦の姿を描くオリジナル脚本のホームドラマ時代劇。
沢口靖子演じる天真爛漫な妻・お信と古田新太演じる破天荒な夫・小吉との軽妙なやり取りや、彼らを取り巻く人間模様が見どころとなっている。
そんな無鉄砲でトラブル続きの小吉を演じる古田にインタビューを実施。共演の沢口とのエピソードや、作品への思いを聞いた。
――今回、勝海舟(麟太郎)の父親・小吉を演じていますが、小吉の存在は知っていましたか?
勝海舟親子の姿を描いた「父子鷹」(1994年、日本テレビ系)を見ていましたので、存じていました。小吉の自叙伝も撮影に入る前に読みました。
――小吉の印象はいかがですか?
いい格好しいなんでしょうね。だから仕事しない。武芸は秀でていたわけですから、それなりの職に就こうと思えば就けるんでしょうけど、苦手なことはやりたくないみたいな…。きっとずぼらなんでしょう。
――小吉は人助けをしたり、人の約束は必ず守ったりと情に厚いところもありますよね。
そういうことは好きなんですよ! 好きなことしかやりたくないんじゃないかな。職に就くということは何かしら苦手なこともやらなくてはいけない。だからそういうことはやらないって決めているというか…。謝ったりへりくだったりすることが苦手と自分で決めている人だと思います。
――そんな小吉と添い遂げた、沢口さん演じるお信は実に寛大な人ですよね。
そうですよね。お信さんものんきな人だからこそ、小吉とお信は幸せなんでしょうね。だからこそ麟太郎は、親父さんとは違う意味で好きなことだけやれたんじゃないかなと。麟太郎は小吉と違い勉強が好きだったけど、小吉はそれに怒るわけではない。だからこその幕末の英雄・勝海舟になったんだと思います。
――この作品はホームドラマ時代劇ですが、ホームドラマの魅力や難しさはありますか?
昔はやくざや殺人鬼など極端な役とかが大好きだったんですけど…。小吉は少し変わった部分がありますが、最近は普通のお父さんの役とかやると楽しいですね。逆に自分じゃないみたいな…。いいお父さんはまず自分の中にないものだから、やっていて楽しいです。子供が好きとか、ご飯をもりもり食べるとか…(笑)。全く自分にないキャラクターをやるっていうのは面白いですね。
――では小吉と古田さんとの共通点はどこだと思いますか?
乱暴者なところ。でも自分は小吉のように温かくはないし、体温低いんで…。小吉は逆にカッとなる熱い人ですよね。だからやっていて面白かったですよ。やっちゃん(沢口)は本当に優しい女性で、ほぼお信さんみたいな人。また、やっちゃんは役を構築するタイプでオイラは思いつきでやるタイプなので、その兼ね合いが楽しかったですね。オイラは毎回芝居を変えるので、やりにくかったんじゃないかな(笑)。
――脚本の山本むつみさんが、古田さんは小吉にぴったりだとおっしゃっていました。
ありがたいですね。小吉は自分とは似てないですが、自分の中にないものをやっている時が俳優として一番楽しいですから、楽しんで演じています。オイラならこうはしないな、みたいな方が作っていく上では楽しいですからね。役を自分に寄せていく人たちもいるんだろうけど、オイラは自分にないものを提出する方が楽しい。演じるということはしょせんはウソですから。特に時代劇はファンタジーですよね、その時代を実際に見たことのある人は居ない訳ですから。
――現代劇と時代劇で感じる違いなどはありますか?
時代劇の方が自由度は高いです。時代考証の先生や方言指導の方もいらっしゃいますけど、「ぶっちゃけ本物見たことないだろ!? 江戸時代知らねえだろ?」って。演じる側としては自分の想像でやれることと勉強して覚えることとの両方があるので、現代劇じゃつけないウソがつけるというのはあります。さすがのNHKのアーカイブにも江戸時代の映像は無いと思うので(笑)。
――作中の江戸言葉も印象的ですが、せりふでのご苦労などはありましたか?
江戸弁は好きですね。落語も江戸落語は好きだし、仲の良かった(十八代目中村)勘三郎兄やんは、“ひ”を“し”って言ったり、“真っ直ぐ”を“まっつぐ”なんて言っちゃう人だったので、その心地よさが好きです。自分が舞台でやっているのも江戸の話が多いですし。特に今回のような作品のちゃきちゃきの江戸っ子言葉みたいなのは、やっていて楽しいです。
――共演者の方との印象的なエピソードはありますか?
沢口さんとは今回3回もお食事に行っていただいて…。居酒屋にやっちゃんを待たせましたからね(笑)!
――どんなことをお話しされたんですか?
くだらない話をしましたよ。でもやっちゃん真面目なんですよね。「古田さんはいつせりふを覚えてらっしゃるんですか?」や「どうやって役を作られるんですか?」といった話になってしまうので、「作ったこととかない!」って答えていました(笑)。
――5話(2月8日[金]放送)から登場する麟太郎役の鈴木福さんとのご共演はいかがでしたか?
福くんは2回ぐらいオイラがよく行く京都のお店に連れていってシカとかイノシシを食わせました。野球部に入っているとか、あとは兄弟が多いといった話をしましたね。以前、福くんの弟と共演していたみたいで、「弟がいつぞやはお世話になりました」って言われました。お信と小吉に長女が生まれるので赤ちゃんが出演しているのですが、福くんは兄弟が多くて慣れているからか、赤ちゃんを寝かしつけるのがすごくうまかったです。
――最後に6話(2月15日[金]放送)の見どころを教えてください。
この回は、お信さんが本当に分け隔てなく人に対して親切で丁寧で優しいというのがよく分かる、また、小吉さんがただの乱暴者だということもよく分かるお話です。夫婦のすごくかわいい部分が見れると思いますよ。
毎週金曜[BSプレミアム]後8:00~8:43(連続8回)
BS4K:毎週水曜 18:45~
毎週日曜 18:45~
【作】山本むつみ
【音楽】荻野清子
【出演】
お信:沢口靖子
勝小吉:古田新太
勝鱗太郎(海舟):鈴木福
登勢(おばば様):江波杏子
他
【語り】春風亭昇太
【演出】清水一彦、宇喜田 尚、井上泰治
【制作統括】小林大児(NHKエンタープライズ) 内堀雄三(ユニオン映画) 土屋勝裕(NHK)
5 名乗る程の者ではござらん 2018/12/13(木) 22:00:47.96ID:L6EFWKEO
江波杏子さん亡くなる直前まで撮影してたのだよねえ。
というか、急死だったから、何かのドラマは未完状態で終了ということになるわけだが。
21 名乗る程の者ではござらん 2019/01/12(土) 13:40:40.32ID:meWvecV/
沢口靖子きれいだな
この人だけでこのドラマは見る価値がある
下手だけど
26 名乗る程の者ではござらん 2019/01/12(土) 21:38:08.70ID:El+Orpx2
山本むつみと言えば、
八重の桜も名作だった
ゲゲゲの女房も
朝ドラ復活の名作だったし
コウノドリも面白かった
何気に丁寧で
上手い女性脚本家の一人だと思う
134 名乗る程の者ではござらん 2019/02/03(日) 20:27:16.32ID:+7CxLO8j
これ実話ベースの物語なの?
勝海舟も金玉かまれてるのか
137 名乗る程の者ではござらん 2019/02/03(日) 22:08:34.72ID:Xk43FnKx
今回の話はほとんど史実ベースだったよな。
小吉が寝ずに面倒見たり。
海舟のケガ、NHKだから本当に史実どおり
=(金玉)にやると思わなかった。
155 名乗る程の者ではござらん 2019/02/09(土) 21:05:21.38ID:DLqaFE1I
今回の話から沢口がやたら活発になったね
武士の子供が人の後をつけるなんてことを
しちゃいけませんと言った時点でわかってた
お約束だけど、自分が尾行する羽目に
なってたとこで笑った
159 名乗る程の者ではござらん 2019/02/10(日) 19:38:47.39ID:DN2mIeYb
おばば様最後に良い作品に出会った
165 名乗る程の者ではござらん 2019/02/11(月) 19:40:53.66ID:ZTQZx0WI
江波杏子さんの遺作なのか
最後まで出演がありますように
168 名乗る程の者ではござらん 2019/02/12(火) 17:58:07.04ID:0V8VvP8e
ぷっと笑いたくなったり、しみじみ思わせる、
江戸文化の極みな町人感覚
沢口靖子の最高傑作
いだてん 見てないけど、こっちはいい!
176 名乗る程の者ではござらん 2019/02/16(土) 00:47:02.18ID:h87uPIXl
今回は靖子が「筆跡鑑定」したり
鼠小僧の「コスプレ」したり
「ダンスタイム」したり、
まるで科捜研の女みたいだったので
ニヤニヤ(・∀・)♪
184 名乗る程の者ではござらん 2019/02/16(土) 17:24:58.60ID:n5Y9chIX
今日の毎日新聞夕刊の週間テレビ評で
小吉の女房を取り上げ、沢口靖子を
「国民的愛され女優」と
50過ぎても愛され続けるのはすごいな
BS時代劇 「小吉の女房」 NHKBSプレミアムにて放送中
毎週金曜 20:00~
【BS4K】 毎週水曜 18:45~
【再放送】毎週日曜 18:45~
作 : 山本むつみ
音楽 : 荻野清子
出演 : 沢口靖子 古田新太 鈴木福 升毅 高橋和也 高橋ひとみ 石倉三郎 江波杏子 里見浩太朗 他
語り : 春風亭昇太