お正月の一言「四方拝 (1/2)」 | mituのブログ

お正月の一言「四方拝 (1/2)」



みなさんは、四方拝という元日の夜明け前に行う儀式をご存知でしょうか?

今は、天皇が5時半から行う重要な宮中儀式ですが、もともとは、庶民の間にでも行われ、室町時代までは摂関・大臣家などでも行われていた儀式です。

ところで、初詣に行ってみなさんはどういうお祈りをしていますか?

たぶん自分や家族のこと、お願いごとだと思います。家内安全、健康、学業、商売繁盛…。

自分にとって都合の良いことが起こって欲しい、悪いこと(厄)は近寄ってくるな、祓いたい、なのだと思います。

こういう皆さんの祈りと、四方拝の祈りは180度違います。

逆に、自分にとって都合の悪いこと、厄を呼び寄せ、自分の身に入れるという祈りなのです。

元日に四方拝を行うとき、天皇は、まず属星を拝する座に着きます。そして、北を向いて 属星の名を七回唱えます。

属星とは、干支を北斗七星の7つの星に割り振ったもので、今年の干支は、午なので、破軍星(はぐんせい)と七回唱えます。

その後再拝して呪文を唱えますが、この呪文の意味が聞いてびっくりの内容です。


「内裏儀式」や「江家次第」によると、

「賊冦之中過度我身(ぞくこうしちゅうかどがしん=賊冦の中、我が身を過し度せよ)、

 毒魔之中過度我身(どくましちゅうかどがしん=毒魔の中、我が身を過し度せよ)、

 毒氣之中過度我身(どくけしちゅうかどがしん=毒氣の中、我が身を過し度せよ)、

 毀厄之中過度我身(きやくしちゅうかどがしん=毀厄の中、我が身を過し度せよ)、

 五急六害之中過度我身(ごきろくがいしちゅうかどがしん=五急六害の中、我が身を過し度せよ)、

 五兵六舌之中過度我身(ごひょうくぜつしちゅかどがしん=五兵六舌の中、我が身を過し度せよ)、

 厭魅之中過度我身(えんみじゅそしちゅうかどがしん=厭魅の中、我が身を過し度せよ)、

 萬病除癒(まんびょうじょゆ)、

所欲随心(しょよくずいしん)、

急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)」


呪文中の「過度」という言葉がポイントです。

「過」とは、すぎる、わたる、よぎる、あまねく「度」とは、悟らせる、という意味です。

つまり、「罪障を引き起こす悪い波動(悪霊)を、わが心身を通して回心させ悟りへ導く」ということです。

皆さんの初詣の常識であろう「罪障から私を守ってください」ということではないのです。

みなさんの常識とま逆で、「悪い波動(悪霊)」を呼び寄せ、自分の良心の力で悟りへの導きを促すという意味が「過度」という言葉に込められているのです。 (続く)