胸につかえた言葉  言われなくてもやってますけど!! | mitue-ne-cyanのブログ

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突然変わってしまった環境を受け止めきれず
誰かに話すことも出来ない思いを文字にして
客観視する為の介護家族雑記。
日常起こった事、思ったことをそのままに。

昨日は朝早めに家を出て、コンビニに向かった。

おにぎりを買い、そのまま実家に向かうつもりだったが、忘れものに気が付き

一度 家に戻った。

 

車から降りようとした時、近所のおばさんが、資源ごみをもって歩いてくるのが目に入った。

”そうか、今日は資源ごみの日か”

いつもはもっと人がいっぱい通るので、気づかなかったのだが、その時は、まだ

指定された時間には少々早かったため、だfれもいなかった。

 

その事に不安を持ったのか、おばさんが私に話しかける。

”もう、置いて行っても良いわねぇ?” 

”そうですね。 回収用のかごが出ていれば、大丈夫じゃないですか。”

そういいつつ 私は車を離れ、収集場所に一緒に向かう。

年に何度かしか顔を合わせない 近所のおばさんではあるが、同じ班であり

母の知り合いでもある。むげには出来ない。

しかも、来月早々にある父の49日と、年に二回の 町内の草刈りの日が重なっており

今回 欠席決定の私としては、少々愛想を良くしておかなくては、という気持ちもあった。

 

歩きながら、社交辞令によくある”お母さん元気?”の言葉に、母が今は施設に居る事

父が急逝して てんやわんやな事、次の草刈りが法事と重なってしまって 行けない事

等を話した。

 

通常のリアクションである”まぁ、大変だったわね。”というあたりで、うまく話を

切り上げられたら良かったのだけれど、彼女にとってはここからが本題だったようで

”お母さんを大事にしてあげてね。家を建てる時(私がいまい住んでいる家)しょっちゅう

見に来ていたものねぇ。”

 

そりゃそうだろう。近所に住んでいるだけでなく、家を建てたのは、父といつも一緒に

仕事をしていた何人かのチームだったのだから、近所で父が仕事をしていれば

仲良し夫婦の母が見に来ているのはごく普通の事だ。

 

しかし、知り合いと言っても、それほど親しくはなかったおばさんは、そんな事は

知らなかったようで、母には大事にされていたんだぞ というエピソードのつもりのようだ。

その証拠に 続く言葉は、母の面倒をしっかり見ろ だの大事にしなくてはいけないだの

そして、一番力を込めて言っていたのが”年寄りは、大事にしないかん!!”

もう、母とか関係ない。

むしろ 自分を大事にしろと語っちゃってる感じだ。

この人の人間関係は分からないが、自分の思うように大事にはされていないのかもしれない。

 

70代のこのおばさんは、何年も前の町内の役員を決める時も 真っ先に

”私たち年寄りはもう無理だヵら これからは若い人にやってもらわないとねぇ!!”

と、最初にぶち上げて、自分はその枠から外れた挙句、該当者だけで話し合いを始めても

どんどん口をはさんで、自分が思う通りのシステムを作ろうとした人だ。

 

しつこく”大事にしてあげてね!”と繰り返す人に少々切れながら”えぇ、頑張ります。”

と答える事数回。

”この後も実家に行って、お参りなんです。”と、言って逃げ出そうとしている私に

”あんたも倒れんように 頑張ってお世話してやってね。”とやっと社交辞令らしい

私も気遣う言葉を吐くと、集積場へと歩き出した。

 

自分の家に向かって踵を返した私の頭の中は”やってるし!これ以上無理なくらいやってるし!

なんなら一回倒れてるし!!! あんたに言われなくても 目いっぱいやってるし!!!”

と呪詛にも似た怒りでいっぱいだった。

 

実家に着いて 廊下の窓を開け、供えてある水や仏花の水を替えつつ キッチンで

お湯を沸かす。

買って来たおにぎりを皿に移し お茶と共に遺影の前に置く。

お湯が沸くまでに除湿器の水を捨て、お湯が沸いたらインスタントの味噌汁を作る。

これもお供えしたら、15分ほどで消えるろうそくをともし、線香をたく。

遺影の前にどっかりと座り込み 父に話しかける。

ここしばらくのルーティーンである朝のお参りをしているうちに心が静まって来る。

 

色々話して落ち着いた後、おにぎりと味噌汁を下げ、私の朝ごはんだ。

食べながら、父と話す。”今日は資源ごみの日だったから、ペットボトルと

ビールの缶、出して来るね。”

もちろん遺影はしゃべったりしないが、写真の笑顔が深くなった気がする。

”おう、頼むな。”きっと父はこういった。そんな気がした。

ペットボトルをつぶした大袋と小さな缶がいくつも入った袋を持って実家を後にする。

”また、夕方来るね。晩酌しよう。””また、父が嬉しそうに笑った気がした。