ビデオを返しに行った帰り道。

お母さんの運転だったので、

ぼーっと窓を開けて、ラジオもぼんやり聞きながら、

外を見てました。

『にゃーー…』

微かな、微かな鳴き声。

慌てて、窓から顔出して、

さーっと通り過ぎる道を、見直しました。

「あぁ!猫っ!子猫が!」

暗い中でも、小さく猫背で鳴いている猫が見えました。

「えぇ?いたか?」

お母さんには鳴き声も姿もわからなかったらしく。

「いたし!あっちの、横断歩道の前。

あんなトコいたら、轢かれるよ!」

「戻る…?」

見捨てて行けないと少しでも思うのは、お母さんも一緒で。

「戻って!」

姿を見てしまったからには、私も無視出来ない。

Uターンして、そんなに行き過ぎてなかったので、

すぐに子猫がいたとこまで戻れました。

すると、バイクが停まっていて、お姉さんがいます。

それでも一応、私は助手席から降りて、近寄りました。

片手の掌にのる小さな小さな子猫。

「あ、…お姉さんも?」

「猫鳴いてるん気付いて、戻って来たんですよ」

「私もなんです。そんなトコいたら絶対危ないなって」

「ですよね!」

「どうなんですか?大丈夫そうですか?」

子猫を覗き込むと、瞳が目やにかなんなのかで、

両方が塞がっていて…。

「ぁぁ…」

なんかその姿は無性に可哀相で。

でも元気に必死に鳴き声を上げる子猫。

「げ、元気そう、ですよね?」

瞳以外は、まだなんか力があったから。

「そうですね。力あるし。

病院連れて行こうかなって思ってます。」

お姉さんの優しい言葉。

「そうなんですか!よかった…!」

「いやーでも同じ気持ちの人がいたと思ったら嬉しいです」

子猫に気付いて戻ってくるとか、

それをする人が二人もいて、

私もめちゃ嬉しかった。

そのお姉さんがいなかったら私が病院連れてったけど、

でもお姉さんがいたし良かったとも思ったし。

「バイク、大丈夫ですか?」

「はい。なんとかなります」

力強いお姉さん。

子猫よ、よかったな!

どっちにしても助かる運命やったぽいぞ!笑

「じゃぁ、なんか良かったです」

道ばたに立ち続けるわけにもいかないので、

「こちらこそ。ありがとう」

「いやいや、ありがとうございました」

なんのお礼かわからないけど、

お互いに頭を下げつつ、

私はお母さんが車を停めに行った所に走りました。


多分、子猫を見て、

お姉さんはもう可愛いと思ってたんでしょうね。

だいぶ邪魔くさい事も全部するって思えるくらい。

私も一緒でした。

子猫の鳴き声を聞いた時点で、

もう愛着が湧いてたし。

お姉さんに任せれた事も嬉しいけど、

猫に会えないのはもう寂しいと感じてて。

なんか勝手やけど。





「いい人もいるんやなー」


本当に、まだまだすてたもんじゃない!笑

子猫を挟んで、久しぶりに人の優しさを感じて、

とても嬉しかったです。

ちょっと、今思い出しても泣きそうなくらい笑

嬉し泣きね(⌒ ⌒;