意外なストレス
岩手県花巻の郊外に、花巻の奥座敷と呼ばれた
台温泉があります。
ひなびた雰囲気の漂う温泉街ですが、
町の奥に立つ「中嶋旅館」は、木造4階建ての見事な宿です。
もとは花街としてにぎわった温泉地の高級宿です。
ですから、当時なら今の5万円くらい出さないと泊まれなかった
と言われています。
ただし、現在ではかつての名残をとどめているだけで、
消費税込7500円で泊まれました。
和室11室のみですが、日本建築の粋を凝らした造りです。
ただ、部屋のカギの開け閉めがやりにくかった。
一人用の部屋に泊まったのですが、これが気になって
風呂から戻ってきても、「今度はうまく開くだろうか」
などと思ってしまいました。
旅館の人に「他の部屋に変えてくれませんか?」
といってもダメでしたね。
せっかく建物は立派なのに、カギひとつで評価が下がるなんて
もったいない、と感じました。
温泉は、岩盤をくりねいた天然岩風呂「瑞岩の湯」です。
旅館の地下にあり、まるで洞窟の中にいるような感じです。
ほの暗さが、何か幻想的な気分になりました。
あとは、近くに遊歩道や滝といった、散歩したくなるような
環境がなかったのが、少し物足りなかったですね。
温泉自体は素晴らしかったので、部屋のカギという
たったひとつが残念でした。
泊まる人の目線に立って考えてなかったのでしょうね。