『良い声じゃなくて、優しい声だと思うんだよ。』
肝付兼太さんから言っていただいた言葉です。
僕が専門学校に通っていた当時、肝付先生に『僕は声優になれますか?』と聞いた事があります。
たまたまエレベーターでふたりきりになり、何か話そうと瞬間的に出た質問でした。
いま考えてみても何てつまんない事をと思いますが、少し間をおいて
『僕もね君みたいな声だったら、もっと早く売れてたかもしれないとか考えたりしたけどね。
でもまあやっぱりね。良い声っていうんじゃなくて、優しい声だと思うんだよ。』
『はい。』とだけ答え神妙な顔になっている僕に
『お、いまのは結構良いこと言ったんじゃないかな?じゃ、また。おつかれさま。』
と言って別れました。
あの時の言葉は忘れることは出来ません。
ご冥福をお祈りします。