1 ドメイン(事業領域)
ドメインとは、事業領域のことであり、現在から将来にわたって、企業の事業がいかにあるべきかを明示した企業の生存領域である。
ドメイン設定の意義
① 企業の意思決定者たちの注意の焦点が定まる(その結果、事業展開の発案のベースが提供される)。
② どのような経営資源の蓄積が必要かについての指針となる。
③ 企業全体を一つの組織とする一体感をつくる。
ドメインの設定に際しては、自社の経営資源を考えて、どのような領域で強みを発揮できるかという点と、自社の将来の有るべき姿を考えて、今後必要な経営資源を蓄積していくためにはどのような領域で活動する必要があるかについて検討すべきである。
なお、ドメインの設定が狭すぎたり広すぎたりすると、次のような事態が発生する。
<狭すぎる場合> 顧客ニーズに適応していくことができなくなってしまう。
<広すぎる場合> 無意味な競争に巻き込まれる恐れがある。
経営資源が分散してしまう。
ドメインの定義には、物理的定義と機能的定義がある。
① 物理的定義
「モノ」を中心にドメインを発想する。「映画会社が自社の事業領域を「映画の製作」と定義する」というようなことがその例である。
物理的定義のデメリットとして、事業活動の展開範囲が狭くなり、現在の事業領域を超える発想がでにくいという点があげられる。
② 機能的定義
物理的定義が「モノ」を中心に発想したのに対し、機能的定義は「コト」「顧客のニーズ」を中心に発想することを意味する。「映画会社が自社の事業を「エンターテイメント」と定義する」というようなことがその例である。
機能的定義のメリットは、事業における将来の発展可能性を感じさせるという点である。しかしその一方で、ドメインが抽象的になりすぎて、ターゲットとなる顧客や事業(製品)の性格が不明確になりやすいというリスクもある。
ドメインの変化とドメインコンセンサス
企業のドメインを狭く規定すると、選択しうる将来の方向が狭く限定されてしまうため、ドメインは環境変化に合わせて変化させる必要がある。また、ドメインの変更は、組織の内部のみならず、組織外部とも合意(コンセンサス)を得ることが望まれる。
