2020年11月14日(土)

横浜スタジアム

ベイスターズ 5x-4 ジャイアンツ

勝 三嶋一輝 3勝1敗18S

負 田口麗斗 5勝7敗1S

 

神里和毅が強く振り抜いた打球が、左中間に飛んでいく。

 

両リーグ通じて最後の2020年公式戦は、鮮やかなサヨナラ劇で決着。

そして、ベイスターズの歴史が一つの終わりを迎えた瞬間でもあった。

 

開幕前は優勝候補の一角にもなっていた。

本気で優勝を狙えるチームだった。

 

だが、その夢は叶わなかった。

 

終了後にはシーズン終了のセレモニー。

激動の2020年シーズンを皆で振り返った。

 

世界を襲った新型コロナウィルスの影響から、開幕が延期。

ありとあらゆるものが、制限された。

当たり前の日常が、奪われていった。

 

そして、無観客試合でシーズンはスタート。

 

様々な工夫と努力を積み重ねて、少しづつ観客が戻ってきた。

熱と力がハマスタに蘇ってきた。

 

首位まであとわずかに迫った時期もあった。

だが、頂点を手にすることはできなかった。

 

優勝を義務づけられた指揮官は辞任を表明。

この日のハマスタが、5年間のラストゲーム。

 

「必ず10勝できる力がある。右の先発の柱になる」

平良拳太郎は、5回1失点の力投。

 

小さな大魔神・山﨑康晃は、約束通り一軍のマウンドに帰ってきた。

 

プロ8年目にして初勝利を記録した平田真吾は、シーズンを通してタフな場面を投げ抜いた。

 

選手会長の石田健大は、味方のエラーにも動じることなく今日も仕事を成し遂げた。

 

豪腕で強打者をねじ伏せてきたルーキー伊勢大夢。

シーズン終盤に一軍のブルペンに戻った砂田毅樹からつながれたバトンは、新守護神の三嶋一輝に託された。

 

背番号17の圧巻のピッチングが、逆転サヨナラ劇を呼び込んでいった。

 

サヨナラ劇の歓喜の後のセレモニーでは、首位打者を獲得したキャプテンが挨拶に立った。

 

「初めてタイトル獲得をできたことは素直にうれしいですが、終盤はけがで出場することができずに悔しい思いをしました」

 

だが、新キャプテンのここまでの活躍を誰が予想し得ただろう。

 

「5年間監督をした中で、一番ベストな決断が彼を4番キャプテンにしたこと。まさか首位打者を取るとは」

 

決断を下した指揮官すらも驚く大活躍だった。

 

セレモニー後には球場を一周。

ファンに感謝の思いを伝えていく。

 

シーズン終盤で一軍に復帰してきた伊藤光が、応援タオルを掲げて参加していた。

 

石川雄洋。

横浜高校出身にしてプロ16年目の生え抜きのベテラン。

 

チームの一番辛い時期に入団し、レギュラーを勝ち取っていった。

 

球団売却で明日をも知れぬ中、DeNAベイスターズの初代キャプテンに就任。

 

決して雄弁ではない。

だが、その熱き血潮でチームを牽引していった。

 

そしてベイスターズは、本気で優勝を争えるチームに成長していった。

 

だが、今シーズンは一軍で戦うチャンスがなかった。

そして、戦力外通告。

 

このままでは終われない。

彼は現役続行を目指し、退団することになった。

 

その思いを、その魂を、タオルとサインに託し、ファームで長い時間を共にした伊藤光がファンに届けた。

 

栄冠掴むその日まで

恐れず飛び込めベースへ

君の熱き血潮で

燃えろ雄洋

 

チームを去る彼の望みは、もう一つかなえられた。

長年親しんだ背番号7が、現キャプテンに託されたのだ。

 

カルロス・ポンセ。

鈴木尚典。

仁志敏久。

そして、石川雄洋。

栄光の系譜に、新たな名前が刻まれる。

 

「来シーズンは全試合出場を目標に、チームの勝利に貢献できる打席を1つでも増やしていけるよう、これからも挑戦する気持ちを忘れずに頑張ります」

 

一つの歴史の終わりは、新たなドラマのスタート。

横浜新時代が、幕を開ける。

栄光の船出の汽笛が轟き渡る。

 

蒼き戦士の闘志

果敢に突き進め

ハマの空に弧を描け

進め Shiny Road

 

横浜DeNAベイスターズ。

背番号7。

佐野恵太。

 

CONCENTRATE ON EVERYTHING AND EXERT MYSELF TO THE UTMOST.

精神を集中させ努力すれば出来ない事はない。

どんな壁にぶつかっても努力をして乗り越えたい。

 

心をひとつに。

BECAUSE WE ARE FAMILY.