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B7×-6C(延長10回)
勝 エスコバー
負 中田
先発ジョー・ウィーランドは、カープ打線にいきなり捕まる。
2回表までに5点のビハインド。
しかし2回の裏、自らの2ランホームランで反撃の口火。
ベイスターズはその後徐々に追い上げ、気がつけば延長戦。
最後は、この男が試合を決めた。
1988年8月28日生まれ。
島根県松江市出身。
開星高校から、2006年高校生ドラフト3位でベイスターズに入団。
2年目からファームのショートのレギュラーに定着。
走攻守三拍子揃った逸材として、期待を集めた。
だが、なかなか一軍から声がかからない。
「どこまで頑張れば、一軍に上がれるんだろう」。
彼は親しい先輩に、こう相談していたという。
他球団からも、そのポテンシャルの高さからトレードの打診があったとも言われる。
2012年、新球団・横浜DeNAベイスターズが誕生。
「内野手のスーパースターを作りたい」
中畑清監督は、彼の潜在能力に期待し、開幕1番ショートで大抜擢をした。
だが、ブレイクならず。
転機は、2013年シーズン後半。
「彼は間違いなくベイスターズの中心選手になりますよ」
TVK解説のホエールズOB松原誠さんは断言した。
その言葉が見事に的中。
ファームから昇格すると、後半戦だけで16本のホームランを放つ大活躍。
2014年、外野手に転向。
背番号も3となった。
闘志を内に秘めるプレイスタイルだが、好不調の波が激しいことも事実。
チームの中心選手になった彼に、ファンから厳しい声も上がることもしばしば。
だが、その秘めた情熱が爆発する試合があった。
2016年10月10日。
東京ドーム。
クライマックスシリーズファーストステージ第3戦。
ジャイアンツ内海哲也からデッドボールを受けて、左手薬指を骨折してしまう。
試合から離れ、ベンチ裏に下がった彼は人目はばからず号泣した。
痛みにではない。
チームが初めて臨んだポストシーズンの舞台から離れてしまう無念さに、だ。
延長戦の末、劇的な勝利を収めて臨んだファイナルステージ。
試合前に、彼は指揮官に訴えた。
「僕はどんな形でも、試合に出たい。でも、決めるのは監督です」
指揮官は応える。
「その言葉で十分だ」
目眩がするほどの大量の痛み止め。
骨折した箇所にがちがちのテーピング。
そして、大切なグラブにはさみを入れて臨んだ大舞台。
第3戦では、勝ち越しのタイムリー。
フェンスに激突しながらファールフライをキャッチした瞬間には、カープファンからも万雷の拍手が起こった。
第4戦では、ホームランも放った。
しかし、日本シリーズには進めなかった。
「優勝しかない」
こう公言して臨んだ2017年シーズン。
ここまで、納得した成績は残せていない。
打順も7番に下がったままだ。
ファンからの叱咤激励は、期待の裏返し。
結果が出れば、より大きい歓声となって帰ってくる。
因縁のカープ戦。
遂に試合を決める一打を放った。
初回には、ライトオーバーと思われた大飛球をスーパーキャッチする好守備で魅せてくれた。
役者が揃ってきたベイスターズ。
彼が本領を発揮すれば、まだまだ上を目指していくことができる。
新たな歴史に
その名を刻め
梶谷隆幸
蒼い韋駄天
横浜DeNAベイスターズ。
背番号3。
梶谷隆幸。
熱い戦いは続いていく。
心を一つに。
I☆YOKOHAMA!
