2017年7月25日(火)
今年初の夏季休暇を取った。
1学期が終わったらステーキを食べに行こう、と家族で約束していた。
この日の夕方、近所のステーキハウス・ケネディ長原店に。

「いつ以来だっけ?」との問いに記憶がよみがえる。
2014年の春以来だった。

様々な記憶がよみがえってきた。

心の病を患っていた私は、おそらく人生でもっともどん底の期間にあったと思う。

ならば、せめて家族で月に1回でも外食をしよう。肉でも食べよう。
そうして食事に出かけたのが、3年前の春の土曜日だった。

当時、かなりひどいパワーハラスメントを受けていた。

その事業所に異動になる直前、その上司のことを誰1人良く言う人がいなかった。

四角四面の彼は、自分が決めたやり方以外の仕事の進め方がわからない。
女性を怒鳴りつけることもしばしば。

心の病を患っていたとはいえ、元来、人の話を聞くことは苦にならない私のもとに、様々な相談事が集中してくる。
この上司への不平不満も、これでもか、これでもかというほど上がってきた。
それが、彼には気にくわない。

私は、然るべき所へ相談したが状況はいっこうに改善していかない。

そしていろんな所に向いていた彼の異常な攻撃衝動が、私に集中してくる。

ただでさえ、モンスタークレーマーの相手に疲れ果てて異動させられた職場。
心の病を理解できないゆがんだ上司の暴言の数々に、心の病は回復の度合いを見せない。
「闘争圏外だ」と言われたこともあった。

ステーキを食べた週末。
週明け出勤すると、人事担当者が私の事業所にやってきた。

これまで、繰り返し繰り返しパワーハラスメントの実態を訴えてきたが、暖簾に腕押し。

「今の君は仕事のパフォーマンスが発揮できていない。休職して気力体力を回復してくるように」
「私も詳しいことはわからないが、リワークというものがあるらしい。探してみてほしい」

休職勧告だった。
全く納得ができなかった。
だが、言われたとおりにする以外に当時の私に道はなかった。

勝ち誇ったように醜い笑顔を浮かべるこの上司の不気味さを、私は生涯忘れることはないだろう。
(後に、状況証拠から人事担当者が、私の相談事を『両方の意見を聞くため』と称して彼に漏らしていたことが判明する)

2014年4月末。
「メディカルケア虎ノ門」という病院を自力で探し出し、リワークプログラムに申し込んだ。

治療を受け、プログラムを実施していくうちに、このような理不尽が世の中にたくさんまかり通っていることを知る。

しかし、最終的には、様々な方策を講じた上で、本人のレジリエンス、回復する力を育てていくことが究極であることも知った。

今まで、我慢して耐え抜いてきたことが嘘のように、自分を取り戻していくのがわかった。
自己肯定感ーーこれまでの自分の築いてきたものに加えて、新しい人生の武器を身につけていく感覚があった。

共に復職を目指す新しい仲間もできた。
アサーション。認知行動療法。3カウント法。悩みの外在化(見える化)。

どんな状況になっても戦っていける知識と智恵と自信と体力がついた。

2015年2月 人事異動が叶い、別の部署で復職。
2016年7月 5年間お世話になった、カウンセリングが終了。
2017年1月 寛解。心の病そのものの治療が終了。
2017年7月    かつて途中で投げ出してしまった4年に1度の一大プロジェクトを見事に乗り切った。

そして、この日のステーキだった。
実にうまかった。
勝利の味がした。

冬は必ず春となる。
もう、真夏だけど。
そして、また冬が来たとしても、乗り越えていける気がする。