うつ病からの寛解を勝ち取った今、願っていることがある。
この経験を人のため、社会のために活かしたいということだ。それには、病気に対するきちんとした知識を身につけたい、と思っている。

リワークプログラムに通っている時にある心理士のスタッフから言われた事が忘れられない。
「皆さん方は、下手な医者や心理士より、メンタルヘルスについての専門家です。病気の辛さと回復する感覚を、実感として持っているから」

「プロカウンセラーの共感の技術」(杉原保史著)を読んだ。

題名にある「技術」という表現は、誤解を招くかもしれない。しかし、きちんとした「技術」なく対話の現場に出れば、大火傷をしてしまう。

共感とは、優しい癒しのイメージで捉えらがち。しかし、それは勇気の挑戦であり、一種の賭けでもあると著者は語る。

疲れるし、エネルギーも使う。
だからこそ、報われた時の喜びも大きいのだと。

「苦しみは分け合えば半分になり、喜びは分け合えば倍になる」

心は工なる画師の如し。
対話によって、共感によって、自身を見つめ、心を通わせる。

多くの現場を踏んできた著者のわかりやすい具体例の数々。
知恵は現場にあり、だ。