オハロラン大尉はアメリカ大使館中庭の駐車場のひとつにジープをいれると、となりの席においた黒皮の書類カバンをとって、大きなからだでするりとジープからおり、きびきびと大使館にはいる石段をのぼった。
受付のデスクにいる男に会釈すると、エレベーターで三階にいき、廊下をいって六段の階段をのぼり、ちょっと高くなった階にいった。
そこへ、三十五、六の背の高い体格のいい女が、急いで彼のほうにくる。
CIAパリ支局長の私設補佐員マーシア・デイヴィスだった。
オハロランが足をとめると、彼女の顔が微笑に輝く。
ハドリー・チェイス(プレイボーイ・スパイ2より)