終わりのハジマリ 1 | ミッソー中佐

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ミッソー中佐の活躍

ひどく冷え込む朝だった。

ほんのひと月前の暑さを思い出すのが困難なほどだ。

ミサはカフェオレを入れたカップを持ったまま、リビングのレースのカーテンを開いた。

午前六時、マンションの7階のベランダには陽が薄く射し込んでいる。

キッチンに置いてあった携帯電話が鳴った。

着信は妹のユキからだった。

「おはよう、ユキちゃん。ちゃんと起きられたのね。ちょっと寒いけど晴れてきそうだし、楽しい遠足になりそうね」

ミサはそう言ってふと窓に顔を向けた。

ベランダの柵越しに何か黒い物が落下していった。

ほんの一瞬の出来事だった。

ミサがベランダに出るよりも先に悲鳴が聞こえた。

数分後、救急車とパトカーのサイレンが近付き、マンション周辺は騒然としていた。

屋上から飛び降りたのは、マンションの八階に住む16歳の少女だった。
byジャニス