13:04 ツォルフェアアイン停留所に到着。
さすが世界遺産! 幟が立ってるので、どちらへ行けば良いかはすぐ分かる。と言うか第12立坑櫓が見えているから迷子になりようがない爆  笑
 
ベタだけど、ツォルフェアアインといえば、やはりこの第12立坑櫓の真正面アングルは外せないカメラ CGみたいに端整キラキラ
ツォルフェアアインのロゴ・マークもこの立坑櫓。私はどうも髙島屋のロゴに空目してしまうのだけれど。
1930年にバウハウス様式で建設されたこの第12採掘坑は「世界で最も美しい炭鉱」と呼ばれてるんだって。でもドイツって「世界で最も○○」ってフレーズが妙に多いから、私はあまり信用してない(笑)。国歌からして「世界に冠たるドイツ」だしドイツ
世界一かどうかはともかくとして、とっても美しく洗練された炭鉱なのは確か。そういえばバウハウスも今年で100年。何か100周年多いな。1919年は第一次世界大戦終戦の年だから、色々なターニング・ポイントだったんだろうな。
 
さて、門の右手に案内所があるので、構内地図をもらう。係員の女性にどこから回るのがお勧めか訊いたら、やはりルール博物館とのこと。今日も開いてるようでよかった。一応事前に調べてはいたけど、ドイツの博物館・美術館は月曜定休が多いからちょっぴり心配だったの。まあ、建造物を観るだけでも十二分に満足できることは分かってたから、たとえ博物館が閉館日でも来るつもりだった口笛
「ABCの3エリアがあるけれど、とても広いから歩いて全エリアを回るのは大変よ?」って言われて、でも、はい、もちろん歩く所存ですニヤリ もらった地図に赤い点線で巡回コースが描いてあったので、素直にこのとおりに回るつもり。
今居るのはエリアAで、下の地図に青色で示した所がさっきの立坑櫓とこれからまず向かうルール博物館。全体の広さは100ヘクタールだって。日没までに回り切れるかなぁ?
 
巨大な建物が多いけど、建物同士の間隔がゆったり取られてるので、歩いていて閉塞感はない。でも操業していた頃はもっと物も人も多かったろうから、それなりにごちゃごちゃしていたのかも。保存状態が良いから、とても90年近く前の建物とは思えない。炭鉱は1986年に閉山し、その後は州政府が買い取って保存・整備したらしい。
同じ世界遺産・炭鉱跡と言っても、長崎の端島(軍艦島)とは全然赴きが異なるよね。端島も1度実際に行ってみたいな。ちなみに端島は広さ6.3ヘクタール。そのうちきちんと整備して、全島見学できるようにしてくれないかな。
 
ルール博物館はかつての選炭施設が再利用されている。さっきの地図だと小さそうに見えたけど、実物は高さ40m、広さ30m×90mと、ツォルフェアアインの遺産群の中では最も大きな建物。
右手の建物はかつての貯蔵庫。たくさんの石炭が、左下から伸びるベルトコンベアーで運ばれて行ったんだろうな。
 
ルール博物館の中へ入るには、一気に24m上昇するオレンジ色のエスカレーターに乗らなければならない。
ここでまた謎の階段恐怖症が出る。うう、怖い! まぁ、乗るけどね。
 
登り切った先、地上24mのフロアはビジター・センターで、チケット売り場やショップやカフェがある。
かつての選炭設備もいろいろ残されてるので、ぐるっと見て回る。
 
本当はカフェで軽く何か食べたかったけど、デュースブルクのホテルでダラダラした分とエッセンで迷子になった分、時間が押してるので昼食は抜くことに決定。こんなこともあろうかと日本からシリアル・バーを持ってきてるし、デュースブルクのホテルでもらったハリボーのグミもあるから、まぁ大丈夫でしょう。
 
13:37 常設展チケットを€8で購入。ガイド・ツアーやオーディオ・ガイドも€3と安価だけど、日本語は無いのでパスする。
博物館のガイド・ツアーとは別に炭鉱施設のガイド・ツアーもあって、ガイドと一緒じゃなければ入れない場所もあるらしく、むしろそちらの方が心惹かれたものの、ドイツ語だけなので断念。せめて英語だったらな〜。まあ英語でも多分半分以上分からないだろうけど。
 
厳つい機械の間を抜けて博物館の入口を入ると、オレンジ色に光る階段で1フロア下の常設展展示室まで降りる。
展示は写真と映像が多く、実物展示は少なめで正直ちょっとがっかり。まぁ、操業していた当時の炭鉱の姿や従業員の生活、公害と環境再生の過程、閉山後の施設の再利用、と言った内容なのでそれも仕方ないか。展示室の中にもかつての選炭設備がどどーんと残されているので、それを見るのも楽しいし。
 
面白かったのは「音」の展示。足元のボタンを踏むと、それぞれの真上に吊られたスピーカーから音が流れる。石炭を削る音とか機械から出る蒸気の音とかだけでなく、環境再生後(?)の森の音だとかも。一番人気=一番ボタンの印字がハゲていたのは豚の鳴き声。これ絶対、社会科見学で来た小学生とかが面白がって鳴らしまくったんだと思う。
 
あと「臭い」の展示も良かったな。ボタンを3秒間押しているとそれぞれの穴の中から臭いが漂ってくる。コークス工場の臭いとかアスファルトの臭いとかフライドポテトの屋台(笑)の匂いとか。こういう五感に訴える展示って臨場感あって大好き。
ちなみにこれ、上半分は大人用、下半分は子ども用。
 
さて、奥まで行くと、ガラスの壁に先を遮られた。一応ドアはあるようだけど、向こう側とこちら側とは明らかにインテリアも展示内容も異なっていて、全くの別エリアといった感じ。
 
仕方ないので階段に戻って1フロア降りてみたところ、特別展と表示がある。
常設展って案外ちょっぴりなんだな。まぁ、ツォルフェアアインのメインって建造物だもんね。
あっさり諦めて入口へ戻ることにする。まだ14時だから、さっきのカフェに寄るのもいいかも。ミュージアム・ショップにも寄りたいな。
ところでこのオレンジ色に光る階段。焼けた石炭のイメージらしいけど、私にはどうも製鉄所っぽい印象なんだよね。
 
階段を登って入口へ戻ると、係員のおじさまに「ずいぶん早く戻って来たけど、下のフロアは観たのかい?」と英語で訊かれた。入場時にはささっとチケットを見せただけで特に会話も無かったのに、月曜日で来場者が少ないからか、私のことを覚えててくれたみたい。でも、下のフロアは特別展って表示されてたけど入って良かったの? おじさまは順路の掲載されている三つ折りパンフレットを渡してくれて、親切に廻り方を教えてくれた。あのガラス壁の向こうも常設展なんだって。そして常設展はあと1フロアと半分くらいあるんだって。最初通った時、素通りせずにこのパンフをもらっておくんだったなあ。
おじさまにお礼を言って、また階段を降りる。1フロア分とはいえ地上24mから17mへ7mも降りるから、普通の建物なら2フロア分。よくよく階段に縁のある日だ。
 
さっきの展示室を突っ切って、扉を開けてガラス壁の向こう側のエリアへ進む。こちらには化石とか炭鉱労働者の日用品とか、実物が展示してあって嬉しい。やっぱり実物展示が好き爆  笑
 
これは水晶の上に結晶化した白鉄鋼。写真はイマイチだけど、実物はキラキラキラキラ
30億年前のもので、ここから北東に直線距離8kmちょいの所にあるプルート炭鉱で発見されたらしい。地中深く石炭掘ってたら、こーゆーものに出会うこともあるよね。
 
これはちょっと謎。「お湯、1945年4月上旬」と書いてあるけど、炭鉱からお湯が湧き出て来たとかそーゆーんじゃないよね? 時期的に第二次世界大戦の最末期だし、飲み水をこういう風に保存してたとかかな? う〜ん、よく分からない。こういう時はガイドが欲しい。ところで、瓶本体はHEYE社製なのに蓋はWECKなのも謎だないちご

このエリアは狭くてすぐに観終わったので、近くの階段から下のフロアへ向かう。地上17mから12mへ今度は5m降下。12mのフロアは、さっきのオレンジ色に光る階段からだと特別展エリアの入口に着き、こっちの階段からだと常設展エリアの入口に着くという造り。
こちらの階段の一番下にあるのは、石炭採掘用のケージ。階段の中心の吹き抜けを立坑に見立てている。
吹き抜けの一番上にあるのは、ルール地方を模った白いプレート。ルール地方とケージを繋ぐザイルは、途中で切れている。象徴的…
 
12mエリアでは、いきなりマンモスにお出迎えされて、ちょっと驚く。
 
実は私、このルール博物館のことを、ツォルフェアアイン炭鉱やルール工業地帯に特化した重工業専門の博物館なのだと勘違いしてたんだよね。
この博物館(前身)の開設は1901年、場所はエッセン市内、3時間前に通ったブルク広場(こちらを参照)にあったんだって。ツォルフェアアインに移転したのは2008年で割に最近のこと。
よって普通に、自然史とか民俗学とか様々なものが展示してある。
これは1230年頃の木像で、ケルンのエンゲルバート大司教。メルキッシェ博物館から借り受け中? 何か妙に迫力あったので撮ってみた。
私が特に気に入ったのは自然史系の展示。
これは海綿動物の化石。あーゆーふにゃふにゃのもちゃんと化石化するんだねぇ。太古の海を想像してワクワクしちゃう。
アンモナイトもいっぱい。
こーゆー綺麗な色の鳥も居るんだねえ。
剥製は、どれも生き生きしたポーズで展示されていて、何だか新鮮でいっぱい撮っちゃった。
狼って意外ともふもふ。しかも賢そう。飼いたい!
ガラスケースの向こうで座り込んでるのは社会科見学の小学生。本当に来てたアセアセ
猪の親子。こんな可愛い剥製初めて見たかもいのしし
狐の親子も可愛い。今朝見た野うさぎは手前の種類かな?
 
この12mフロアも結構すぐに見終わった。半分は特別展エリアだからね。
また階段を降りて、いよいよ最後、地上6mフロア。ここは全て常設展エリア。鉱物と地方史・炭鉱史の展示が観られる。
 
これは石炭(半無煙炭)。産地は書いてないけど、やっぱりツォルフェアアイン産だよね?
コンゴ産のマラカイト。美しい。
スペイン産のヘマタイト。何でこんなポコポコした形状になるんだろう?
写真右手のエリアは地方史・炭鉱史の展示。
出勤時この板に札を掛けることで、坑夫たちの勤怠状況を管理してたらしい。凄い数。そして、名前ではなく番号で管理されてるのがちょっと悲しい。
土壌調査のサンプル。またWECKの瓶だいちご
 
展示室にはやっぱりかつての設備がいっぱい残されてる。
 
結局2時間近く見学しちゃった。うん、満足。途中でがっかりだとか物足りないだとか早計なこと言ってごめんなさいチューアセアセ
あのまま帰っちゃわなくて本当によかった。おじさまには大感謝だわ。
なお、私はめちゃくちゃ偏った展示物しか撮影してないけど、実際はもっと幅広く数多くの展示があるよ!
 
エレベーターで最初の24mフロアに戻る。
15:34 ミュージアム・ショップで第12立坑櫓のクッキー型€5.9を購入。シリコン製で赤と黒の2色があったけど、やっぱり赤だよね〜!
カフェに寄ってる時間は残念ながら無さそう。お手洗いだけ借りよう。
 
エスカレーターで一気に24mを降って、ルール博物館を後にした。
 
 
でも、後になって気づいたんだけど、このチケット、常設展の他に「産業文化ポータル」っていう地上30mのエリアにも入れたはずなんだよね。う〜ん、チケットを買うときにフロア・マップで視覚的に示してもらえば良かった。言葉での説明だけだと忘れちゃうんだよね。あと、もしかして屋上とかにも行けたのかな〜?
事前確認って超大切えーん