Vol.18 デ・シーカ作品 アメリカ&イタリア映画

 

 

 

終着駅/Stazione Termini、Terminal Station

監督 ヴィットリオ・デ・シーカ

出演 ジェニファー・ジョーンズ、モンゴメリー・クリフト

1953年伊公開、1954年米公開、1953年日本公開

 

 

 

ストーリー

イタリア ローマでの若い男と人妻の恋愛。男は英語教師。女はアメリカ人、アメリカに夫と子供を置いて、ローマに住む姉妹の家に遊びに来て、ローマ階段で知り合った若い男と1月の恋愛関係になる。

 

 

 

 

この日本版ポスター、かなり主役の二人が日本人に見えるのは私だけでしょうか。

それにしても映画の中で、人妻メアリーが首にしている狐のマフラー、気になりました。その当時は日本でもこのマフラーが流行ってましたよ。家にも狐さんがいたのを記憶してます。

そして彼女の荷物が、クロコのトランクと毛皮のコート。かなりお金持ちなのか、イタリアとアメリカの間の為替の関係で、かなりローマではお金持ち状態だったのでは?と想像しました。

毛皮の有名ブランド、フェンディの本店はローマです。

 

 

 

 

 

ジェニファー・ジョーンズの聖女ぶりが、若い男との恋愛におぼれる人妻約を違った見る者の心に焼き付けます。彼女は遊びのつもりでモンゴメリー・クリフと演じるジョヴァンニとの愛におぼれたのか、それとも本気で彼との恋愛におぼれたのか、最後までわからずじまい。でも、女性から見れば、彼女のしぶとさが気になるところです。このジョーンズのしぶとさは、映画『黄昏』を思い出させます。

 

 

 

 

 

 

彼女への思いが断ち切れないハンサムな若い男、ジョヴァンニはこの映画の中で2回も命を危ぶまれるような事件に遭います。一回目は汽車に引かれそうになりながら、彼女の元へ走り寄る場面、二回目は彼女がパリに向かう汽車から、飛び降りるシーン。最後飛び降りシーンは何度も衝突しそうになった標識を映し、彼の眼を覚めさせるような場面でした。人妻の若い男との恋愛の果ては、やはり夫のもとに戻るのが定説なのでしょうか。トルーマン・カポーティ

による英語部分の脚本もなかなか楽しむことができます。残酷な人妻の言葉の一つ一つは、若い男の心を散り散りにして、最後には別れる気持ちにまで追いやる。ローマでのひと月の恋愛は甘く苦く、そして当たり前の結末を迎えていました。

 

 

 

 

 

 

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