がんの手術より、親知らずを抜いた時のほうが痛かった。がんの手術は全身麻酔で腹腔鏡、寝てれば終わるし、手術後も痛み止めの手厚い看護をしてもらえるので、余裕である。病院の皆様と国民皆保険制度に感謝である。

 

 それに比べて親知らずは、麻酔が切れた後が地獄。麻酔が効いている限りは痛くもなんともないもんだから、ふらふらと帰巣本能のままバスに乗ったら、バスの中で麻酔が切れて、もうダメかと思った。ああタヌキはもうダメです。ほんとにダメです。それに懲りて、抜糸の時は診察台でロキソニンを飲んだわよ!! そういうライフハックは事前に教えてほしかったぜ。

 

 私は包丁でちょっと指を切っただけでもギャーギャー言うタイプですが、うちの家庭には3大痛い病を通過しても、悲鳴ひとつあげなかった男がいます。夫です。

 ある時ふと気づいた。

 

「あなた、心筋梗塞と尿管結石と帯状疱疹と、全部やってたね……?」

「うん」

 

 夫、ふつーに答えてるけど、それは『ありがちな病』の中で、『3大痛い』と言われてるよねえ!? 

 なのになんかふつーに暮らしている。キャーとかギャーとか全然言わない。おかしくないか。いや、おかしくはないか。夫、いっしょに出かけた時に駅で倒れて救急車を呼んだ時も、何も言わずにスーッと倒れていた。これだけ痛みに強いなら、爪とか剥がしてみたら、どんな反応を……? とか一瞬でも考えてしまったことを神に懺悔します。こういう本↓ばっかり読んでいるのが悪かったんだと思います。