宝塚歌劇月月組公演

『エリザベート』②~③

②10月30日(火)

1階21列38番

③11月  3日(土) <宝塚友の会優先公演>

2階 3列 1番

東京宝塚劇場にて

 

 

 やはり集大成だけあって、ちゃぴこと愛希れいかさんの演技は見事でした。

   

 

 この『エリザベート』は、主人公に感情移入できない稀有な作品だと思っているのですが、だからこそいろいろな見方ができるとも思うのです。

ルキーニというストーリーテラーがいても、全編が「俯瞰」なので観客それぞれが主人公を決め、その役を通して物語を眺めることが可能なのです。

 今回は、これまであまり共感できなかったエリザベートの人生を愛希れいかという稀代の役者を通して見極めたいと思った次第です。

 

 

 今作品はエリザベートの心の闇をストレートには描かず、死に魅入られた悲劇性からその闇を垣間見せるのですが、彼女のエリザベートからは真っすぐな強い意志とともに、自らを愛せない弱く悲しい側面が感じ取れました。

 人は自分(の考えや思想)を否定され続けると自己肯定感が低くなってしまいます。

エリザベートもご多分に漏れず、ひとり「孤独」の淵に沈んでいってしまいますが、彼女が体現する「影」は大仰ではないものの、エリザベートの生涯における理想と現実、そしてそこから見える課題を端的に浮かび上がらせていたと思います。

 


    誰もが困難な現実や課題を克服しようともがき苦しみますが、エリザベートのように殻に閉じこもることで自分を守ろうとすることは、決して否定するべきものではありません。

ただ、「王室の一員」としての立場がそれを許さなかったとでもいいましょうか。

彼等は人一倍「義務と責任」を果たさなければなりませんから。

 

 

 このように愛希エリザを通し、今までよりエリザベートの心の内を覗けたような気がします。

ただ、彼女にもう少し想像力(=他人を思いやる気持ち)があったなら、悲劇の皇妃にはならずに済んだのかも知れません。

 

 

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最後に、

ちゃぴちゃん、ご卒業おめでとうございます。

そして、お疲れさまでした。

 

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