宝塚歌劇
宙組公演
『神々の土地/クラシカル ビジュー』①
10月17日(火) 18時半
1階8列24番
東京宝塚劇場にて
『ハンナのお花屋さん』とのダブルヘッダーで、少々疲労を覚えつつも「凍てつく大地の世界」に誘(いざな)われてきました。
ほとんど予備知識がないままの観劇でしたので(←「ロマノフ王朝の滅亡物語でしょ。」くらいのものでした)、冒頭での説明芝居(台詞)に少々戸惑いましたが、なんとか1910年代のロシアにタイムスリップ。
そこは、きな臭い事件が頻発しまさに革命の狼煙が上がろうとしていた時代でした。
主人公は皇帝の従兄弟であり、あの怪僧ラスプーチンを亡き者にしたドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフ。
歴史のうねりに飲み込まれた彼の生涯は、苦悩と葛藤の連続でした。
広大なロシアの大地を背景に物語は淡々と進むのですが、かえってこれが不思議な魅力になっているのです。
いや、革命家の登場や血なまぐさいシーンもあるんですよ。
それでも、イメージは「動」でなく「静」なんです。
主人公が愛するイリナも情熱を内に秘めている凛とした女性でありながら、受ける印象は「静」なんですよね。
また、ラスプーチンを殺害するシーンで赤絨毯を敷き詰めた階段が登場するのですが、この絨毯の赤色は皇族や特権階級の象徴であるとともに、ラスプーチンや革命家、民衆たちの流した血の象徴、つまり革命の象徴でもあると思うのです。
なにより階段を駆使してのこの暗殺シーンは、ドラマティックで視覚的にもインパクトのあるものでした。
トップスターの退団公演にしては地味だという声もありますが(←まあ、分からないでもないけれど)、演者にしてみればやりがいのある作品(役)なのではないでしょうか。
何故なら、「静」の演技の方が難しいからです。
特に主演の朝夏まなとさんと相手役の怜美うららさんのお二人は、よりそれが顕著です。
でも、その静の芝居を体当たりで演じておられるお二人に、タカラジェンヌとしての集大成を見る思いでした。
次回の観劇は11月11日(土)となります。
*都合により『クラシカル ビジュー』は割愛させていただきました。