宙宝塚歌劇宙組公演
『王家に捧ぐ歌』①~③
①7月31日(金) 15時半
1階 1列52番
②8月14日(金) 13時半
1階12列18番
③8月22日(土) 11時
1階13列45番
東京宝塚劇場にて


絢爛豪華な古代エジプトの世界を体験すべく、宝塚歌劇版『アイーダ』を観劇。


壮大な愛の物語に涙腺は緩み・・・なのだが、何かが足りないと思うのは私だけだろうか?
いや、主人公ふたりの互いを思いやる無償の愛には確かに感動を覚えるし、涙を禁じ得ない。
しかし肝心のふたりの愛の過程が省かれているので、私はイマイチ感情移入ができなかった。
それに比べ王女・アムネリスは(物語の進行上必要ということもあるが)ほぼ時系列で心情が描かれており、私は実はこの作品の真の主人公は彼女ではないかと思っている。
ラストの「私に貴方を殺させないで!」の台詞も胸に迫るものがあった。


今作品は、宙組新トップスター朝夏まなとのお披露目公演である(以下、敬称略)。
彼女が表現するラダメスは「勇猛果敢な勇者」の側面よりも「質実剛健な知恵者」の側面をより強く打ち出しているが、彼女の持ち味であるスマートさが生かされていたと思う。
また、相手役である実咲凛音のアイーダも流転の王女ゆえの健気さと芯の強さが共存していて好ましかった。
その他にも慈愛に満ちたファラオの箙かおるやアイーダの父・アモナスロの一樹千尋、ウバルドの真風凉帆、メレルカの桜木みなとなどが印象に残った。
しかし・・・である。
私が真の主役(あるいは影の主役)と断言したアムネリスの伶美うららの歌唱はお世辞にも上手いとは言えなかった。
王女としての気高さや気品はその美貌と相まって上手く役に嵌っていたが、いかんせん歌が弱い。
彼女には「スケールの大きな娘役」を目指し、苦手な歌を克服していただきたいと節に願っている(←それさえクリアすれば怖いものなしなのだ!)。


新生宙組は朝夏を中心に比較的バランス良くピラミッドが形成されている(←正確には形成されつつある)。
2番手に真風を配したことは正解であったと思う。
スタイリッシュなトップコンビに熱い2番手、正統派二枚目の3番手等々…。
これからの宙組も楽しみである。