雪宝塚歌劇雪組東京特別公演
『アル・カポネ -スカーフェイスに秘められた真実-』
5月29日(金) 13時~
1階C列29番
赤坂ACTシアターにて


もう、1にだいもん、2にだいもん、3にだいもん…で、さながら「望海風斗ショー」でした。
元々歌唱力には定評がある彼女ですが、今作品ではその魅力が遺憾なく発揮されています。
ワタクシ、冒頭のソロでもうノックアウトされましたもの。
気がつくと涙ぐんでいて、もうそこから一気に物語に、いや正確に言うとだいもんに引き込まれていきました。


-イタリア系移民の2世として、心ならずも裏社会に生きたアル・カポネ。
最愛の女性にも巡り合い、“まっとうな道”を夢見たが叶わなかった人生の果てに見たものは…。


一幕と二幕の整合性がイマイチとの劇評が少なくなかったようですが、私が思うに人生なんてそんなものじゃないんですかね。
妻に裏社会から足を洗うよう懇願されても現実はそれを許さないし、もう後戻りはできないところまできている。
現代ならともかく、あの頃の移民は今よりずっと虐げられていましたからね。
彼はそこでしか生きられなかったんです。


そんな逆境に懸命に立ち向かっていったカポネをだいもんこと、望海風斗さんが見事に演じていました。
彼女は表情が非常に豊かなんですね。
困った顔、嬉しい顔、憂いのある顔、そしてちょっとセクシーな顔等々…、文字どおり百面相なんです。
彼女の演技は作り込むというより、“憑依型”なのかも知れません。
その他、妻・メアリー役の大湖せしるさんも包容力のある女性を演じていましたし、何よりいぶし銀的な魅力で存在感たっぷりの夏美ようさんが素敵でした。
また、ジャックの真那春人さんは儲け役でしたし、久城あすさんの滑舌良い演技も心に残りました。
そして、私オシの月城かなとさんですが、捜査官エリオット・ネスの心情がそこまで丁寧に描かれていないせいか、少々物足りなさを感じてしまいました。


とにかく、今作品は望海風斗さんありきの作品だと断言できます。
彼女のエンターテイナーぶりを堪能した2時間半でした。